[成果情報名]

肥育前期の給与エネルギー水準が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響

[要約] 黒毛和種去勢牛において肥育前期に高エネルギー飼料で増体を大きくするとバラ厚は大きく、筋肉中の脂肪含量は少なくなる。筋肉中脂肪含量(脂肪交雑)に対する効果は小型の牛に顕著に現れる。
[キーワード]肉用牛、黒毛和種、肥育前期、給与エネルギー水準
[担当]兵庫農総セ・畜技・家畜部
[連絡先]0790-47-2427 電子メールakio_oka@pref.hyogo.jp
[区分]近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 黒毛和種には成長タイプの異なるものが存在するが、生産現場ではタイプが異なる牛を同様の飼養方法で肥育している農家が多く、それらの肥育成績にはばらつきが見られている。しかし、タイプ別の効率的な肥育方法は十分に検討されていない。そこで、まず、産肉性に大きく影響する肥育前期の給与エネルギー水準を増体性が異なる兵庫県産と広島県産の黒毛和種を用いて比較する。

[成果の内容・特徴]

  1. 黒毛和種去勢牛で大型である広島県産(L区)と小型である兵庫県産(S区)を用い、肥育前期(10~17か月齢)の給与エネルギー水準によりそれぞれ高エネルギー区(1.0区:目標1日増体量(DG)1.0kg)と低エネルギー区(0.6区:目標DG0.6kg)に分ける。粗飼料はチモシー乾草とイナワラを用い、各区とも同量を給与する。濃厚飼料は前期配合(TDN:73.1%、粗蛋白質:16.8%)と後期配合(TDN:73.0%、粗蛋白質:13.3%)を用い、前期は目標DGになるように給与量を制限し、後期(18~29か月齢)は飽食とする。
  2. 体重はL区がS区より顕著に重いが、肥育前期の給与エネルギー水準は肥育終了時の体重に影響しない(表1)。
  3. 10および17か月齢時の血液中6時間平均成長ホルモン濃度は、L区がS区よりも有意に高い値を示す(図12)。このことから増体性の違いには血液中成長ホルモン濃度が関与すると考えられる。
  4. 枝肉重量はL区がS区より重くなり、バラ厚は1.0区が0.6区よりも厚くなる(表2)。胸最長筋内粗脂肪含量は、S区で0.6区が1.0区よりも有意に高い値を示す。

[成果の活用面・留意点]

  1. これらのデータを活用することにより、より効率的な牛肉の生産が可能になる。
[具体的データ]






[その他]
研究課題名 種雄牛の遺伝的産肉能力の明確化による合理的肥育技術の開発
予算区分 地域基幹
研究期間 1999~2003年度
研究担当者 岡 章生、岩木史之、岩本英治

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