[成果情報名]

回行型スクープ式堆肥化施設における生ゴミと家畜ふんの混合投入による発酵温度、臭気および堆肥性状

[要約] 回行型スクープ式堆肥化施設において、家畜ふんにスーパーおよび一般家庭等の生ゴミを原物で10%混合して堆肥化すると、十分な発酵温度が得られ、堆肥性状について問題点がない。
[キーワード]畜産環境、家畜ふん、スクープ式堆肥化施設、生ゴミ、発酵温度、臭気、堆肥性状
[担当]岡山総畜セ・環境家畜部・環境衛生科
[連絡先]電話0867-27-3321、電子メールnaoki_kitamura@pref.okayama.jp
[区分]近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 食品廃棄物である生ゴミを回行型スクープ式堆肥化施設に投入し、生ゴミと家畜ふんとの混合堆肥化時における発酵温度、臭気発生状況および堆肥性状を調査して、有機資源リサイクル技術の指導指針を得る。

[成果の内容・特徴]

  1. 回行型スクープ式堆肥化施設(堆積期間:約60日間、攪拌回数:1日1回、生産堆肥排出量:2.0t~2.5t/日)において(図1)、牛ふん主体の家畜ふん8.8t/日、戻し堆肥2.1t/日、生ゴミ0.8t/日を原物投入し堆肥化を行った。生ゴミの投入割合は既報では50%まで可能であるが、大規模施設への応用を考慮し10%に設定した。生ゴミは町内全戸収集の実施による一般家庭生ゴミおよび近隣のスーパー、福祉施設より分別収集した。生ゴミの組成は残飯、野菜屑類、魚のアラ、肉類であり、収集時および投入時に夾雑物の有無を調査し、排除を行う。
  2. .発酵温度は、図1に示す(2)地点を最高に、投入後約25日間の投入物の移動区間である(1)~(5)地点で60~75℃に上昇し、(6)~(10)の地点で低下する(図2)。
  3. (1)、(3)、(5)、(8)地点で攪拌時堆肥直上で計測した臭気成分は堆肥化の過程で低下する。低級脂肪酸は低濃度の発生、アセトアルデヒドは検出限界値以下である(図3)。
  4. 堆肥性状を(1)、(3)、(5)、(8)地点および生産物について調査した結果、堆肥成分は、水分含量が堆肥化の進行に伴いほぼ直線的に低下し、生産物で55%前後である。有機物および灰分は(1)~(3)地点で変化がみられず、(5)地点以降で低下および増加する。T-Nの変化はなく、T-Cが緩やかに低下する。T-Cの低下は発酵熱源としての炭素源の消費によるものと思われる。生産物の堆肥成分組成は一般的な牛ふん堆肥と変わらない(表1)。
  5. pHは堆肥化の進行に伴い上昇傾向を示す。ECは緩やかな低下傾向を示す。pHの上昇傾向は堆肥中へのアンモニアの蓄積を伺わせる。(表2
  6. こまつなの種子による発芽試験では、播種42時間後の蒸留水を対照とした発芽率はいずれも97%以上である。(表2

[成果の活用面・留意点]

  1. 生ゴミを家畜ふんと混合堆肥化することにより、有効活用が期待できる。
  2. 発酵温度60~75℃が3週間以上の持続および97%以上の発芽率から、良質で安全な堆肥として利用できる。
  3. 臭気は堆肥化初期に著しく発生する。
[具体的データ]





[その他]
研究課題名 生ゴミ等有機資源リサイクル技術の確立
予算区分 県単
研究期間 2001~2003年度
研究担当者 内田啓一、滝本英二、北村直起、白石 誠、脇本進行、古川陽一、奥田宏健
発表論文等 1)内田ら(2002)岡総畜セ研報.13:31-37.
2)内田ら(2003)岡総畜セ研報.14:83-88.

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