[成果情報名]

有機亜鉛の飼料添加が黒毛和種去勢肥育牛の増体と肉質に及ぼす効果

[要約] 黒毛和種去勢牛に12カ月齢から1日1頭当たり有機亜鉛10g(Znとして400mg)を飼料に添加して27カ月齢で出荷する場合、体重は増加する傾向にあるが、肉質には差が認められない。
[キーワード]肉用牛、有機亜鉛、増体、肉質
[担当]京都畜技セ碇牧・繁殖技術部
[連絡先]電話0772-76-1121、電子メールt-iwai35@mail.pref.kyoto.jp
[区分]近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 京都府では府内で生産された良質牛肉を1986年に「京都肉」としてブランド化して以来、肉用牛の生産増強に努め、流通の推進によりブランド名の普及定着を図ってきた。京都肉の名称は消費者に浸透しつつあるが、生産量の拡大が課題であり、増体の改善及び肉質向上技術の開発が必要となっている。
 有機亜鉛は牛の脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を促進することが、マウスを使った培養試験により実証されており、米国でアバディーン・アンガスに補給したところ、脂肪交雑、枝肉重量が優れたとの報告がある。そこで、有機亜鉛を含む飼料添加物を使い、一定量を飼料へ添加することにより、黒毛和種去勢牛の増体及び肉質に与える効果を検討する。

[成果の内容・特徴]
有機亜鉛添加区と対照区を設け、有機亜鉛の種類は試験Iでは硫酸亜鉛メチオニン単独、試験IIでは硫酸亜鉛メチオニン・銅リジン・マンガンメチオニン・コバルトグルコヘプトネイトとし、添加量は1日1頭当たり10g(Znとして400mg)、添加時期は試験開始13週目から出荷までとした。供試牛は父牛、母の父とも兵庫系の黒毛和種とし、試験Iでは各区4頭、試験IIでは各区3頭用いた。試験Iの開始、出荷月齢は平均10.1、27.9、試験IIは平均10.3、27.8とした。

  1. 試験I、IIともに有機亜鉛添加区の平均体重は、対照区を上回って推移し、試験終了時で42.7~35.5kg重くなる傾向にある(表1)。
  2. 通算DGは、有機亜鉛添加区が対照区を上回る傾向が認められる。中期1終了時のDGは試験IIで有意(P<0.05)に有機亜鉛添加区が優れる(表2)。
  3. 有機亜鉛添加区の飼料摂取量は、対照区に比較して多く、特に試験IIでは有機亜鉛添 加区が9.9%多くなる(表3)。
  4. 枝肉成績は、有機亜鉛添加区の枝肉重量、ばらの厚さが大きい傾向にあるが、脂肪交雑(BMS№)、締まり、きめに差は認められない(表4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 有機亜鉛は変質しやすいので、遮光した気密容器に入れて保存する必要がある。

[具体的データ]










[その他]
研究課題名 有機亜鉛の飼料中への添加が肉質に及ぼす影響の検討
予算区分 府単
研究期間 2002~2003年度
研究担当者 岩井俊暁・山本 稔・松下厚志・安達善則

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