[成果情報名]

黒毛和種肥育牛における成長ホルモン遺伝子多型と産肉性との関連

[要約] 黒毛和種の成長ホルモン遺伝子多型(A、BおよびC型)は産地によって遺伝子頻度が異なるが、枝肉重量、バラ厚および脂肪交雑はA型とC型で差が見られる。
[キーワード]肉用牛、黒毛和種、成長ホルモン遺伝子多型
[担当]兵庫農総セ・畜技・家畜部
[連絡先]0790-47-2427 電子メールakio_oka@pref.hyogo.jp
[区分]近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 黒毛和種の成長ホルモン遺伝子には127番と172番のアミノ酸置換を伴う2カ所の塩基配列の違いから3つの遺伝子型(A型:127番ロイシン・172番スレオニン型、B型:127番バリン・172番スレオニン型、C型:127番バリン・172番メチオニン型)が存在し、増体および枝肉形質に関与することが示唆されている。しかし、特定の産地あるいは種雄牛の影響によりそれらの関係が見られた可能性も考えられる。そこで、閉鎖育種されている兵庫県産(但馬牛)と他県産の肥育牛について成長ホルモン遺伝子多型の頻度および枝肉形質との関連を比較検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 黒毛和種肥育牛で兵庫県内で出生したもの(去勢:100頭、雌:26頭)と兵庫県以外で出生したもの(去勢:102頭、雌:70頭)について枝肉脂肪からDNAを採取し成長ホルモン遺伝子多型を調べると、B型の頻度が兵庫県産、兵庫県産以外ともに最も高いが、兵庫県産ではA型が非常に少ない。
  2. 産地、性、GH遺伝子多型を主効果として取り上げSASのGLMプロシジャーで統計処理を行うと、全体のGH型別では枝肉重量はAA型がBCおよびCC型より有意に重くなり、脂肪交雑はCC型がAA、BBおよびBC型よりも高くなる。バラ厚はAA型がACおよびCC型より有意に厚くなる(表2)。
  3. 兵庫県産以外の牛でみても同様の傾向が認められる(表3)。兵庫県産ではA遺伝子の頻度が少ないためA型との比較は困難であるが、脂肪交雑はCC型がBB型よりも有意に高い値を示す(表4)。
  4. 産地ごとにGH遺伝子型と枝肉形質の関連を比較してもほぼ同様の傾向が見られ、枝肉重量、バラ厚および脂肪交雑はGH遺伝子型と関連があると考えられる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 黒毛和種の育種改良にこれらのデータを活用することが可能である。
[具体的データ]








[その他]
研究課題名 種雄牛の遺伝的産肉能力の明確化による合理的肥育技術の開発
予算区分 地域基幹
研究期間 1999~2003年度
研究担当者 岡 章生、龍田 健、岩本英治

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