[成果情報名]

活性汚泥法における処理水循環・間欠曝気処理併用による窒素・リンの低減効果

[要約] 乳牛40頭規模の活性汚泥処理実証施設で、生物学的手法(循環脱窒、生物学的脱リン)による窒素・リンの除去効果を検討したところ、間欠曝気運転は連続曝気運転よりも効率的に窒素とリンを除去できる。
[キーワード]活性汚泥法、間欠曝気処理、窒素、硝化脱窒、リン、生物学的脱リン
[担当]岡山総畜セ・環境家畜部・環境衛生科
[連絡先]電話0867-27-3321、電子メールnobuyuki_wakimoto@pref.okayama.jp
[区分]近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 近年、環境保全のため「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が制定され、また「水質汚濁防止法の一部改正」により硝酸性窒素等の排水中濃度の規制が定められた。そこで酪農家の尿汚水処理の一方策として、活性汚泥処理施設での処理水循環・間欠曝気処理併用による窒素・リンの除去効果を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 乳牛40頭規模の活性汚泥処理施設(図1)は、調整槽(循環脱窒を目的)、曝気槽(有効容積24m3、曝気量1.7m3/m3・日)、生物膜槽(硝化反応促進と処理水安定化)等からなり、運転条件は表1に示す。試験は、処理水の循環脱窒処理に加えて、曝気槽を2時間の間欠曝気運転にした試験区と連続曝気運転の対照区を比較する。
  2. 試験区の窒素除去率は、86.7%、リン除去率は75.6%であり、対照区のそれぞれ60.2%、14.5%に比べ除去率が改善される(表2)。
  3. 対照区の沈殿槽と処理水中に残存したNO2-NとNO3-Nは、試験区曝気槽の曝気停止 による嫌気条件下で脱窒除去される(図2)。
  4. 活性汚泥中のリン含有量は、対照区の乾物当たり1.9%に比べ試験区が2.4%と高い。5.今回の結果では、処理水の循環脱窒処理に加えて、間欠曝気運転を行うことにより窒 素・リンの効率的な除去を行うことができる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 窒素・リンの除去を目的に既存活性汚泥処理施設の運転方法の変更や施設を改造する場合に活用できる。
  2. 生物学的脱リンは、2時間以上の間隔での間欠曝気が効果的である。間欠曝気の間隔が長いと処理水質が低下する恐れがある。
  3. 施設の運転状況によっては、間欠曝気により処理水質の低下を招くことがあるため、必要に応じて必要曝気量の確保など対策を講じる。
  4. 循環脱窒は、処理水を嫌気槽に循環することで除去効果は向上するが、嫌気槽では循環水の滞留時間の確保(6時間以上)が重要である。
[具体的データ]


[その他]
研究課題名 低コスト畜舎排水処理施設の開発
予算区分 県単
研究期間 2001~2003年度
研究担当者 脇本進行、北村直起、白石 誠、滝本英二、奥田宏健
発表論文等 岡山県総合畜産センター研究報告第14号:77~81

目次へ戻る