[成果情報名]

家畜混合ふん堆肥化臭気の硫酸添着モミ殻を用いた簡易脱臭技術

[要約] 密閉型堆肥化装置の高濃度臭気用の脱臭技術として、地域内で安価に調達可能なモミ殻を用いたモミ殻脱臭層にpH2程度に保たれた希硫酸を循環させ、4.5秒以上臭気に接触させることにより、アンモニアをほぼ100%除去することが可能である。
[キーワード] 家畜ふん尿、脱臭、硫酸添着モミ殻
[担当] 高知畜試・環境飼料科
[連絡先] 電話0889-22-0044、電子メールkatsurou_yokoyama@ken4.pref.kochi.jp
[区分] 近畿中国四国農業試験研究・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 畜産農家周辺に住宅が増えるにつれ、堆肥化処理時の臭気が問題となる事例が見られるようになっており、臭気を効率的に捕捉できる密閉型堆肥化装置はその解決策の一つと考えられている。そのような装置では有機物分解が迅速に進むことで臭気が高濃度となることから、臭気成分除去能力の高い脱臭装置が必要となるが、脱臭資材が高価で装置の経費が高額になることが一般的である。そこで、地域内で入手できる資材を用い低コスト化を図った簡易な方法について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 臭気吸着資材として供試した14種類の素材のうち、焼成ゼオライト、ゼオライト、過燐酸石灰、酸添着活性炭、活性白土、硫酸添着モミ殻、硫酸添着オガクズでアンモニアは100%除去されたが、コストと入手の容易さから硫酸添着モミ殻が最も有望である(表1)。pH2の希硫酸を1リットル含むモミ殻にアンモニア濃度300ppmの臭気を8.9秒接触させる条件では、アンモニアが2mol吸着されるまでは除去率96%以上の状態が保たれる。
  2. 硫酸添着モミ殻を用いた化学脱臭装置は、希硫酸の貯まる液層の上のモミ殻層にポンプで上部から希硫酸を循環させ、液層とモミ殻層間の空間から臭気を導入してモミ殻層上部のダクトから排気する(図1)。希硫酸はモミ殻重量の1/4以上の液が常時添着しているようにポンプを動作させ、希硫酸のpHが低下したら硫酸を追加してpH2程度を保つ。モミ殻の堆積厚(cm)は臭気風量(m3/秒)÷装置底面積(m2)×臭気通過時間(秒)×100で求め、臭気通過時間は4.5秒以上(9秒以上確保できれば確実)を設定する。
  3. 希硫酸のpH及び液温が上昇すると臭気除去率の低下が起き(図2)、特に回分型堆肥化装置での堆肥化処理初期は高濃度ガスが発生し、希硫酸pHが上昇し易い。

[成果の活用面・留意点]

  1. モミ殻は地域内で安価に調達可能なので、これを脱臭資材として活用することで能力の高い脱臭装置を比較的容易に製作できる。また、カラム内の希硫酸はアンモニアと飽和することで硫酸アンモニウム溶液として作物の施肥に活用できる。
  2. 酸性の臭気成分は除去できないので、黒ボク土を使用した土壌脱臭法と組み合わせた2段階脱臭にすればより確実に脱臭できるが、土壌脱臭装置は圧力損失が大きく排気効率を下げる場合があるので、適正な通過量となるような設計が必要である(表2)。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 有機性廃棄物堆肥化装置の技術確立に関する研究
予算区分 県単
研究期間 2000~2002年度
研究担当者 横山克郎、徳広令奈、吉田 均、岡野秀樹、生永治彦

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