[成果情報名]

密閉式堆肥化装置を用いた家畜ふんの堆肥化技術

[要約] 海外で生ゴミの堆肥化を主用途として製品化されている横型密閉式堆肥化装置を導入し家畜ふんの堆肥化を行ったところ、70%という高水分率の原料でも良好な堆肥化が行われ、本装置は家畜ふんの堆肥化装置として活用できる。
[キーワード] 家畜ふん尿、密閉式堆肥化装置
[担当] 高知畜試・環境飼料科
[連絡先] 電話0889-22-0044、電子メールyouichi_toyota@ken3.pref.kochi.jp
[区分] 近畿中国四国農業試験研究・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 食品ごみリサイクル法をはじめとして環境関連法が強化される昨今、家畜排泄物を含む有機性廃棄物の堆肥化技術は資源循環の観点からも注目すべき課題である。そこで今回、海外で製品化されている独自の搬送・撹拌システムを有する横型密閉式の生ゴミ堆肥化装置を導入し、家畜糞堆肥を主体とする有機性廃棄物の堆肥化装置として改良するとともに活用技術の確立を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 本装置の槽内には、三角柱を横にした突起をハシゴ状に取り付けそれぞれ分離した左右の床があり、この床が油圧で左右交互に稼働することにより、堆肥全体に亀裂を発生させながら、堆肥は前方へ徐々に送り出され、後方へは戻らない仕組みになっている(図1)。さらに、前方に送り出された堆肥は、スパイラルコンベアで攪拌されながら移送され、槽内天井部から再び槽内に戻るシステムになっている(図2)。
  2. 本装置で牛ふんを主体とした家畜ふん(牛:豚:鶏=7:1.5:1.5)の堆肥化を行った場合、原料水分率を戻し堆肥及びもみがらを用い70%以下に調整すれば、十分な発酵熱が生じ、静圧及び堆肥水分も安定的に低下し、良好な堆肥化が行われ、家畜ふんの堆肥化装置として活用できる(表1)。
  3. 原料の無機態窒素のうち、アンモニア態窒素は本装置での処理後5日目までに大幅に減少する(表3)。
  4. 本装置で行った一次処理終了時点の堆肥、および二次処理の堆肥を用いた作物栽培試験の結果、本装置での一次処理で有機物はかなり分解され、有害物質の影響も無くなっている(表4)。
  5. 本装置を用いた場合の堆肥生産費は、減価償却費が4,620千円(施設:4,140千円、機械(ホイールローダー):480千円)、電気代が768千円、人件費70千円で合計5,458千円/年である。戻し堆肥として5m3残した場合、製造され排出される堆肥は2週間で16.1m3であるため、堆肥生産原価は5,458千円÷(16.1×365/14日)≒13千円/m3である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本装置の搬送・攪拌機の構造上、堆肥の水分率が高まると塊状物を形成しやすくなり、破砕又はふるい分け等による製品の質的向上が必要である。
  2. 冬季は水分蒸散能が低下するため、原料水分率を65%以下に調整する必要がある。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 有機性廃棄物堆肥化装置の技術確立に関する研究
予算区分 2000~2002年度
研究期間 県単
研究担当者 岡野秀樹、横山克郎、吉田 均、豊田陽一

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