[成果情報名]

煎茶園で少肥栽培に適した品種「ふうしゅん」

[要約] チャ品種「ふうしゅん」は、窒素施用量を4分の1に削減した場合の減収程度が「やぶきた」、「さえみどり」、「おくみどり」及び「めいりょく」に比べて小さく、少肥栽培下での生育、収量性に優れ、少肥栽培に適した品種として有望である。
[キーワード]チャ、少肥栽培適応品種、「ふうしゅん」
[担当]滋賀県農業総合センター・茶業指導所・茶振興担当
[連絡先]電話0748-62-0276、電子メールga39@pref.shiga.jp
[区分]近畿中国四国農業・茶業
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 硝酸性窒素が環境基準に追加されたことに加え、滋賀県は琵琶湖を抱えているため、農業が流域の水質に与える影響は重大な課題であり、窒素負荷軽減技術の確立が急務である。
 そこで、煎茶園における窒素低投入型生産技術を確立し、技術の普及を図るため、本県内の栽培品種及び有望品種の中から、少肥栽培適応性の高い品種を選定する。

[成果の内容・特徴]

  1. チャ品種「やぶきた」、「さえみどり」、「おくみどり」、「めいりょく」及び「ふうしゅん」が、定植1年目から定植6年目までの間、年間窒素施用量を4分の1に削減して栽培した場合に受ける生育、収量及び成分への影響の程度に基づき、少肥栽培適応性を評価した。
  2. 「ふうしゅん」は、年間窒素施用量を4分の1に削減すると、一番茶収量が31%減少するが、他品種が50~64%減少するのに比べると、その程度は小さく(図1)、少肥栽培下での収量も多い(図2)。
  3. 「ふうしゅん」は、年間窒素施用量を4分の1に削減すると、二番茶収量が60%減少するが、「やぶきた」以外の品種が70~75%減少するのに比べると、その減少程度は小さい(図1)。
  4. 「ふうしゅん」は、年間窒素施用量を4分の1に削減すると、春整枝量が47%減少するが、他品種が62~86%減少するのに比べると、その程度は小さく、生育の低下程度は小さい(図1)。
  5. 「ふうしゅん」は、年間窒素施用量を4分の1に削減すると、全窒素含有率及び遊離アミノ酸含有率がそれぞれ15%、35%低下し、タンニン含有率が9%上昇するが、その程度は他品種と同等である(図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 新植、改植茶園に導入する品種候補とする。
  2. 窒素低投入型生産技術マニュアルに掲載する。
  3. 「ふうしゅん」は、摘採期が「やぶきた」より3日程度遅い中晩生種で、慣行の施肥量では極めて多収である。
[具体的データ]



[その他]
研究課題名 中山間地域の煎茶園における窒素低投入型生産技術体系の確立
予算区分 助成(地域基幹)
研究期間 1999~2003年度
研究担当者 近藤知義、吉澤喜代雄、中嶋治男、今村嘉博、忠谷浩司、志和将一

目次へ戻る