[成果情報名]

島根県における水稲「西海232号」の奨励品種採用

[要約]「西海232号」は、「祭り晴」と同等以上の安定した収量性及び玄米の外観品質を有する良食味系統である。そこで、「西海232号」を島根県における平坦部向けの早生品種として奨励品種に採用する。
[キーワード]イネ、西海232号、奨励品種、早生、良食味、平坦部
[担当]島根農試・作物部・作物グループ
[連絡先] 0853-22-6650、adachi-yasuhiro@pref.shimane.jp
[区分] 近畿中国四国農業・作物生産(夏作)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 島根県では、近年、極早生品種「コシヒカリ」への極端な作付け集中が進む中で、温暖化に伴う外観品質の低下が大きな問題となっている。品質低下に対応し、「コシヒカリ」への作付け集中を緩和するために、平坦部では早生への一部転換が望まれるが、早生の奨励品種「祭り晴」は市場評価の格差があり、作付け拡大が困難な状況にある。このため、外観品質の安定した良食味早生品種の早期導入が求められている。
[成果の内容・特徴]
「西海232号」の特性は、「祭り晴」に比べて(ただし、食味は「日本晴」、「コシヒカリ」との比較)、次のとおりである。
  1. 出穂期は2~3日、成熟期は2~4日遅い早生である(表1)。
  2. 稈長は8~10cm長く、穂長は2~3cm短く、穂数は同程度~やや多い。草型は“中間型”である。倒伏程度はわずかに大きい(表1)。
  3. 穂発芽性は“中”でやや穂発芽しやすい(表2)。
  4. 葉いもち及び穂いもち耐病性はともに“中”でやや劣る(表2)。白葉枯病耐病性は“やや弱”でやや優る(表2)。紋枯病の発生は同程度である(表1)。
  5. 玄米収量は同程度~やや多い。玄米千粒重は同程度~やや重い(表1)。
  6. 玄米の外観品質は晩植ではわずかに劣るものの、同程度~わずかに優る(表1)。
  7. 食味は「日本晴」、「コシヒカリ」に比べ外観等が優り、良食味である(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 県内平坦部において「祭り晴」及び「コシヒカリ」の一部に代えて普及を図る。これにより、品種構成の適正化と良質・良食味米の導入による県産米の評価向上が期待できる。
  2. 耐倒伏性は「祭り晴」よりやや弱いので、極端な多肥栽培は避ける。
  3. 葉いもち及び穂いもち耐病性は「祭り晴」よりやや弱いので、適切な防除に努める。
  4. 白葉枯病耐病性はやや弱いので、常発地での栽培は避ける。
  5. 「祭り晴」よりやや穂発芽しやすいので、適期刈取に努める。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 水稲奨励品種決定調査
予算区分県単
研究期間 1997~2004年度
研究担当者藤田 究、宮下武則、村上優浩
発表論文等月森弘、福田誠、陶山研治、加納正浩、安達康弘

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