[成果情報名]

塩素酸ナトリウム粒剤の水稲刈り跡処理による埋土種子の出芽抑制効果

[要約] 塩素酸ナトリウム粒剤を、水稲刈り跡の本田や畦畔に処理することにより、スズメノテッポウやアゼガヤの土壌表面への落下種子や埋土種子からの出芽抑制効果が見られる。
[キーワード]塩素酸ナトリウム粒剤、水稲刈り跡処理、埋土種子、出芽抑制、スズメノテッポウ、アゼガヤ
[担当]兵庫農技総セ・作物部
[連絡先] 0790-47-2410、ken@hyogo.email.ne.jp
[区分] 近畿中国四国農業・作物生産、生産環境(畦畔)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 水田雑草の防除において、水稲を収穫した後の本田の薬剤処理は、生育中の一年生雑草の防除や多年生雑草の越冬茎の生育抑制など、高い効果が得られることが知られている。そこで、水稲収穫後の除草剤本田処理で、生育中の一年生雑草や多年生雑草のみならず、地表面に落下した種子や埋土種子に対する出芽抑制効果を確認し、雑草防除の一助とする。
[成果の内容・特徴]
  1. 水稲収穫後の10月に、塩素酸ナトリウム粒剤を10a当たり10kg、20kgおよび40kgを本田処理し、翌年の4月に表土3cmを採取して8月に出芽調査をすると、スズメノテッポウの出芽数の減少程度はいずれの処理量区でも無処理区に比べて顕著である(図1)。
  2. アゼガヤが繁茂する本田と畦畔で塩素酸ナトリウム粒剤を11月に処理し、翌年採取した土壌での出芽調査では、本田では塩素酸ナトリウム粒剤の処理によりアゼガヤの出芽数の顕著な抑制効果が認められる(図2)。畦畔では40kg処理で抑制効果が認められる。
  3. 塩素酸ナトリウムの0.3%、0.6%、1.0%および3.0%水溶液に稔実していると思われるアゼガヤ種子を浸漬し、20℃明条件下での出芽調査結果では、塩素酸ナトリウム水溶液の濃度が0.6%以上では、アゼガヤの出芽がほとんど認められない(図3)。
  4. 以上のことから、塩素酸ナトリウム粒剤の水稲刈り跡処理により、スズメノテッポウやアゼガヤなどの土壌表面に落下した種子あるいは埋土種子の翌年の出芽が抑制されることが明らかである。
[成果の活用面・留意点]
  1. 塩素酸ナトリウム粒剤の水稲刈り跡処理時の登録上の処理量は10aあたり20kgから25kgであり、使用に際しては適正使用量を守ること。
  2. 翌年の水稲への薬害は認められていない。
  3. 埋土種子量は膨大であるため、薬剤処理後直ちに翌年の出芽数が減少するわけではない。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名新農薬応用試験 4 キシュウスズメノヒエの生態と防除法の確立
予算区分県単
研究期間2001~2003年度
研究担当者 須藤健一、牛尾昭浩、足立光弘(日本カーリット)、片橋久夫(アグロパートナーズ)、小川文生(日本カーリット)

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