[成果情報名]

アカスジカスミカメの年間世代数の推定

[要約] アカスジカスミカメの卵、幼虫、産卵前期間の発育零点、有効積算温度はそれぞれ12.1℃・105.7日度、11.9℃・182.1日度、15.1℃・59.5日度である。これらをパラメータとして、越冬世代成虫の発生ピークから休眠卵産下時期までの年間世代数を推定できる。
[キーワード] アカスジカスミカメ、発育零点、有効積算温度、臨界日長、年間世代数
[担当] 滋賀農総セ・農試・環境部・病害虫管理担当
[連絡先] 0748-46-3081、s218235@pref.shiga.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(虫害)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 近年、滋賀県においては、斑点米カメムシ類の一種であるアカスジカスミカメが急増しており、それらの加害による玄米の品質低下が大きな問題となっている。そこで、県内個体群を用いて、本種の発育零点、有効積算温度、休眠卵産下に対する臨界日長を調べ、より高精度な発生予察をするための基礎資料とする。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 卵期間(非休眠卵)の発育零点は12.1℃、有効積算温度は105.7日度、幼虫期間の発育零点は11.9℃、有効積算温度は182.1日度、産卵前期間の発育零点は15.1℃、有効積算温度は59.5日度である(表1)。
  2. 9月10日前後に産下された卵の休眠卵率は50%となり(図1表2)、休眠卵産下に対する臨界日長は13.5時間付近である(図1)。また、産下された卵が全て休眠卵となるのは両年とも10月1日前後である(図1)。
  3. 発育零点、アメダス気温データをパラメータとし、各ステージの有効積算温度を満たす日数を三角法(坂神・是永、1981)で計算することにより、越冬世代成虫の発生ピーク後から休眠卵産下時期までの年間世代数の推定が可能である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本推定を用いるには、越冬世代成虫の発生ピークをすくい取りや予察灯で確認する必要がある。
  2. 産下された卵が完全に休眠する10月1日前後を1年間の発生終了時とする。
  3. 滋賀県におけるアカスジカスミカメの年間世代数は、低温年である2003年の高島市今津町では年間4世代(成虫の発生ピークは6月上旬、7月中旬、8月中旬、9月中旬)、高温年である2004年の滋賀県彦根市では5世代(成虫の発生ピークは6月上旬、7月上旬、7月下旬、8月中旬、9月中旬)と推定され、県内でも年次、場所によって、世代数は異なると計算される。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 病害虫被害解析と減農薬管理技術の確立
予算区分 県単
研究期間 2002~2004年度
研究担当者 重久眞至
発表論文等 重久(2004)関西病虫害研報46:77-78.

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