[成果情報名]

エンバク搾汁液のキスジノミハムシ成虫に対する摂食阻害効果

[要約] エンバク搾汁液をチンゲンサイの葉に散布するとキスジノミハムシ成虫の摂食を阻害する。
[キーワード] エンバク、キスジノミハムシ、アブラナ科野菜、チンゲンサイ、摂食阻害
[担当] 奈良農技セ・高原農業振興センター・営農技術チ-ム
[連絡先] 0745-82-2340、nakano@naranougi.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 キスジノミハムシはアブラナ科野菜の重要害虫として問題となっている。これまでにダイコンの前作にエンバクを作付けしてすき込むことにより、キスジノミハムシによる根部の被害が抑制されることを明らかにし、エンバクに忌避効果を持つ物質が含まれる可能性が示唆された。ここではエンバク搾汁液によるチンゲンサイの地上部における被害抑制効果を明らかにする。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. エンバク(品種:ニューオーツ)、ライムギ(品種:ハルミドリ)およびハキダメギク(夏期の未作付地の優占雑草)の開花前の地上部を重量比で等量の蒸留水とともにミキサーで磨砕したうえ固形物を除去して搾汁液を得る。これらをチンゲンサイの葉に塗布処理すると、キスジノミハムシの摂食阻害率はエンバクでは99%の高率であるが、ライムギで62%であり、ハキダメギクでは39%と低い(表1)。
  2. エンバクの搾汁液の濃度を変えて塗布した場合、エンバク生重比で10%以上であれば摂食阻害効果が安定して認められる(図1)。
  3. エンバク搾汁液をキスジノミハムシ虫体に直接噴霧しても摂食行動は阻害されず、生存率も低下しない(表2)。エンバク搾汁液にはキスジノミハムシに直接の毒性等を持たない。
  4. チンゲンサイ圃場においても防除効果が認められるが、化学農薬に比べると効果がやや劣る(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 農薬の原体として利用できる可能性がある。
  2. エンバク搾汁液の安全性は、現在のところ未確認であるので生産現場で使用しない。
  3. 主要な摂食阻害物質は直鎖炭化水素の一種であると推定され、分析中である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 中山間地域対応技術開発(エンバクを利用したキスジノミハムシの防除)
予算区分 県単
研究期間 2002~2006年度
研究担当者 中野智彦
発表論文等 中野(2003)関西病虫研報45:51
特許出願中「害虫忌避剤及び害虫の被害を低減する栽培方法」特願2004-269678

目次へ戻る