[成果情報名]

簡易防鳥ネットの適用を前提としたデラウェア栽培法

[要約] 単独作業でも取り扱いが容易な、簡易防鳥ネットの適用を前提として、ネット幅に棚高をあわせたブドウ栽培法では、自家消費目的において省力的かつ確実な鳥害対策を行うことができる。
[キーワード] デラウェア、鳥害、防鳥ネット、省力化
[担当] 奈良県農技セ・鳥獣害対策プロジェクトチーム
[連絡先] 07472-4-0061、komeda-k@naranougi.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(鳥獣害)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 山間を含めた自給農業地域では、栽培が比較的容易なデラウェアが生産されているが、鳥類による被害が深刻である。現在の所、確実な対策としては防鳥ネットなどで圃場全体を囲む方法に限られるが、従来の棚高の高い栽培方法における作業は、特に高齢化が進む山間地域では、非常に困難・危険である。そこで、自家消費レベルの収量を確保すると共に省力的に鳥害防除を行うことを目的として、簡易防鳥ネットとの組み合わせによるデラウェア栽培法を開発した。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 本栽培法は、巾1mの簡易防鳥ネット(表1)の適用を前提として、ネット巾と同じ地上1mに誘引棚(奥行き1m)をテーブル状に設置し、結果枝を誘引する方法とする。なお、ビニール屋根を設置して雨除け栽培とし、剪定法は短梢剪定とする(図1)。
  2. 簡易防鳥ネットは巾が1mと短く、ロール状に巻き取られているため、本体を回転させるだけでネットの繰り出しが可能であり、単独作業においても展張作業は容易である(図2)。ネットはパッカーで支柱に固定するが、誘引棚から屋根までに設置する場合は、手を差し込んで栽培管理が行えるように下辺は固定しない。
  3. 加害鳥は、果実の視認しやすい棚下方向からの飛来を好むため、棚下のみにネットを設置した場合でも、ある程度の鳥害防止効果が得られる(表2)。なお、全体にネットを設置した場合、ほぼ完全に鳥害は回避することができる(表3)。
  4. 奈良県果樹振興センター内圃場では、本栽培法において鳥害を完全に回避できた場合の収量は、14.4房/m2であり(1997年定植、2003年調査、栽培面積には通路幅1mを含む)、従来の栽培方法とほぼ同じである。
[成果の活用面・留意点]
  1. 棚下のみにネット設置した場合には、被害防止効果は完全ではない。最初は棚下のみにネットを設置し、被害状況によっては棚上にも設置するように運用することが、労力の分散を図る面からも効率的である。
  2. 本栽培法16m2(通路幅を除く)全体にネットを設置した場合、作業時間は約10分であり、脚立などを用いた危険を伴う高所作業も必要としない。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 鳥獣害の発生を前提とした栽培システムの開発
予算区分 農生総他
研究期間 2002~2004年度
研究担当者 米田健一・井上雅央
発表論文等 米田・井上・一ノ瀬・高藤(2004)第10回野生生物保護学会大会要旨集.p93.

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