[成果情報名]

オオタバコガ用交信攪乱剤の少量、省力処理

[要約] オオタバコガ用の交信攪乱剤(ダイアモルア剤)の通常使用量および設置箇所数は200本/10a 、40~20箇所/10aであるが、100本/10aまたは50本/10a、10箇所/10aでも効果が期待でき、設置費用と労力の改善が図れる。
[キーワード] オオタバコガ、フェロモン、交信攪乱、少量、防除
[担当] 兵庫農技総セ・農業技セ・病害虫防除部
[連絡先] 0790-47-1222、junya_yase@pref.hyogo.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 フェロモンを利用した交信攪乱法は、環境に対してきわめて優しい害虫防除手段であるが、露地野菜では防除資材として価格が高いことと設置に手間がかかるため普及が進んでいない。そこで、オオタバコガ用交信攪乱剤(ダイアモルア剤)について、使用量を少なくすると同時に設置箇所数を減らしてコストと労力の軽減化を図る。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. ダイアモルア剤100本および50本/10a処理によるオオタバコガ雄成虫の誘引阻害効果は高く、200本処理とほぼ同等とみなすことができる(表1)。
  2. 処理区内での交尾行動は100本/10aできわめて低く抑えられ、50本/10aではそれより劣るが高い交尾阻害効果が期待できる(表1)。
  3. 処理区内の一般農家圃場におけるオオタバコガのレタス被害株率は、50本/10a、100本/10a区とも2%以下となり、無設置区と比べて同等~低い(表1)。
  4. ダイアモルア剤の標準的なディスペンサー設置箇所数は40~20箇所/10aであるが、10箇所/10aの設置で上記のような誘引阻害効果、交尾阻害効果、被害抑制効果が得られ、設置箇所数を減らしても有効である。
  5. ディスペンサーの処理量を50本/10aにすれば、資材コストを従来の1/4にすることができる。また10箇所/10a(50本/10aの場合1箇所に剤5本使用)の設置は大幅な労力の軽減になり、幅20mの圃場であれば畦に添って5m間隔で設置すればよく、圃場作業時の妨げにもなりにくい(図1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. ディスペンサーは作付を行う1カ月以上前に設置しておく必要があるが、このとき圃場内に設置することが困難であれば、とりあえず圃場ごとに相当量をまとめて置いておくだけでも交信攪乱効果が得られる。条件が整った圃場から速やかに設置する。
  2. 連続した広い範囲に性フェロモン成分を拡散させる必要があるので、対象地区では作付の有無に関係なく設置する。処理面積は20ha以上が望ましい。
  3. 少量の剤を最大限に活用するために、ディスペンサーの表面ができるだけ空気に触れるようにポールなどに固定して、地上から50cm以上の高さに設置する(図1)。束ねたり地面に置くとフェロモン成分が拡散しにくくなる(図2)。

[具体的データ]

 


[その他]
研究課題名 性フェロモンの交信攪乱によるレタスのヨトウムシ類の防除
予算区分 県単
研究期間 2001~2003年度
研究担当者 八瀬順也、田中尚智、廣瀬敏晴

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