[成果情報名]

亜リン酸肥料の施用によるダイズ茎疫病に対する耐病性の向上

[要約] 黒ダイズに亜リン酸液体肥料(N:P2O5:K20=0:28:26)の350倍希釈溶液を培土時(第2本葉期と第4本葉期〈7月上・下旬〉)に2回、株当たり0.1L株元散布を行うと、茎疫病に対する耐病性を向上させる効果がある。
[キーワード] 黒ダイズ、亜リン酸肥料、茎疫病
[担当] 兵庫農総セ・病害虫防除部
[連絡先] 0790-47-2448、Kazumasa_Maekawa@pref.hyogo.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 黒ダイズ(品種:丹波黒)は兵庫県の主要な特産物であり、その栽培様式は水田転換畑で水稲3年、ダイズ1年の輪作が行われてきたが、近年、黒ダイズ需要の増加と水稲の減反政策によりダイズの作付け間隔が短くなり、丹波地域を中心に茎疫病などの立枯性病害の発生が増加している。茎疫病はその病原菌が高密度で土壌中に生存するため防除が非常に困難である。さらに本病害に対する有効薬剤が少ないことから早急な対策が望まれている。そこで、作物の病害抵抗性を向上させる作用を持つ亜リン酸肥料を用いて、茎疫病に対する耐病性の向上効果について検討する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 亜リン酸液体肥料(商品名サンカラー[N:P2O5:K20=0:28:26]〈三共アグロ株式会社〉)を用いて、350倍希釈溶液を第2本葉期(7月上旬)と第4本葉期(7月下旬)に2週間間隔で計2回、株当たり0.1L株元散布する。本田での試験で、無処理では8月上旬に茎疫病の発生が始まり、9月下旬まで発病程度が漸増する。亜リン酸を施用すると9月下旬でも発病がなく、殺菌剤のシアゾファミド水和剤と同等の効果が認められる(表1)。
  2. 亜リン酸液肥の350倍希釈溶液(亜リン酸〔H3PO3〕として約1500mg L-1)、その2倍濃度の175倍希釈溶液(亜リン酸:3000mg L-1)の株元散布によって、茎葉に濃度障害は認められない(表1)。
  3. 亜リン酸液肥の350倍希釈溶液の株元散布により、粗子実重、子実重、100粒重などは無施用とほぼ同等であり(表2)、亜リン酸の施用により収量に悪影響は認められない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本剤は肥料として登録されているが、農薬としての登録は取得されていない。
  2. 亜リン酸肥料の施用に伴い、他に施用する肥料の種類、量を変更する必要はない。
  3. 多発条件下では高畝栽培、暗渠排水の施工など排水改善対策と併用する。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 拮抗微生物を核とした特産マメ類立枯性病害防除システムの開発
予算区分 受託(先端技術を活用した農林水産研究高度化事業)
研究期間 2004~2006年度
研究担当者 前川和正、相野公孝、神頭武嗣

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