[成果情報名]

携帯型非破壊糖度計による高糖度トマトの糖度測定法

[要約] 市販の携帯型非破壊糖度計による高糖度トマトの糖度測定では、開発した着色前期用推計ソフトと既存のトマト用推計ソフトを対象果実の熟度により使い分けることで、着色前期から着色後期まで精度よく測定できる。
[キーワード]携帯型、非破壊糖度計、推計ソフト、高糖度トマト、着色前期、着色後期
[担当]高知農技セ・作物園芸部・営農システム科
[連絡先] 088-863-4918、masuo_nitta@ken4.pref.kochi.jp
[区分] 近畿中国四国農業・作業技術
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 高知県で生産される高糖度トマトの品質評価は、ほとんどが外観による判別で行われている。このため、品質評価には高度な選別技術が要求され、農家間の品質格差が大きい。一方、庭先選果に使用できる携帯型非破壊糖度計が開発されているが、高糖度トマトの着色前期から着色後期まで幅広く適応できているものは見当たらない。そこで、市販の携帯型非破壊糖度計を用いて高糖度トマトの非破壊糖度測定法を確立する。
[成果の内容・特徴]
  1. K社製携帯型非破壊糖度計(K-BA100、重量約5kg、高さ240mm×幅300mm×奥行118mm、以下、本機)を用いる。
  2. 測定部位は果実赤道部とし、1果につき対角2ヵ所の平均測定値もしくは1ヵ所の測定値を用いる。
  3. 着色前期果実(1~5分着色)では、開発した着色前期用推計ソフトを用い(表1)、着色後期果実(5~10分着色)では、K社トマト用推計ソフトを用いることで誤差が±0.4Brix%程度の高い推計精度が得られる(図1)。
  4. 本機を用いて選果すると、手選果に比べて糖度不足果の混入割合を低下できる。さらに、手選果の場合、高糖度トマトを普通トマトへ誤選別することによる年間損失額は、10a当たり112,952円と試算されるが、本機の導入により52,536円まで低下できる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 品種‘ハウス桃太郎’、‘桃太郎ファイト’、‘マイロック’を供試した結果である。
  2. 着色前期用推計ソフトは2002年度の集積データと、産地と品温(10℃、25℃、35℃)を変えて測定した2003年度の集積データを合わせて作成した。
  3. 産地、品種、年次、時期などによってバイアス補正が必要である。
  4. 屋外で測定する場合には、黒布で果実全体を覆い、外乱光の影響を防ぐ必要がある。
  5. 携帯型非破壊糖度計の推計精度および導入効果とその経済性が明らかとなったことで、農家の購入判断材料や関係機関の指導資料となる。なお、本機の定価は、約200万円である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名非破壊測定による農産物の品質評価技術の開発
予算区分県単
研究期間2000~2003年度
研究担当者 新田益男、玖波井邦昭、小松秀雄、伊吹 哲、中村和洋

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