[成果情報名]

ハウススイカ-ホウレンソウの有機認証に適合した栽培体系

[要約] 太陽熱土壌消毒、防虫ネット、天敵、フェロモン剤等を利用した病害虫防除となたね油粕、魚粕粉末を主体とした施肥によりスイカ-ホウレンソウの有機栽培体系が可能である。
[キーワード] スイカ、ホウレンソウ、太陽熱土壌消毒、有機栽培、防虫ネット、天敵
[担当] 鳥取園試・野菜研究室
[連絡先] 0858-37-4211、kawakamit@pref.tottori.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 野菜の有機栽培農産物など安全・安心な農産物に対する消費ニ-ズは高い。そこで、スイカとその後作に多く栽培されているホウレンソウについて有機栽培体系を確立する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 施肥:なたね油粕、魚粕粉末を主体にスイカでは施肥窒素量19.1kg/10a、ホウレンソウ1作目は無施肥、2、3作目はそれぞれ施肥窒素量5.7kg/10aを施用する(表3)。
  2. 害虫防除:防虫ネットはハウスサイドと入口に0.6mm目合を設置する。天窓開口部は 1.0mm目合でよい。ハウス周辺は、銀色テープ(3×60cm)を25cm間隔で高さ60cmと150 cmに設置するとともに、光反射シートを敷く。ハウス内はスイカではバンカープランツを利用して天敵(コレマンアブラバチ)1,500頭/10aを3月下旬より20日おきに3回放飼する。また、チリカブリダニ2000頭/10aを5月下旬頃1回放飼する。ホウレンソウではハウス内に交信攪乱用フェロモン剤を設置する。ハダニには硫黄粉剤を使用する。ヨトウムシ類などは発生初期に取り除く(表2)。
  3. 病害防除:うどんこ病の発病葉、菌核病の発病つるは随時摘除し、うどんこ病が見られた場合は、水和硫黄剤などを使用する(表2)。
  4. 土壌病害と雑草防除:太陽熱消毒をスイカ栽培後の7月上旬から8月上旬までの約1ヶ月行う。かん水量は10a当たり360m3程度、ハウスの密閉期間は地温の40℃以上が192時間を目安とする(表2)。ホウレンソウでは、畝上の雑草の発生は抑草でき問題とならない(表略)。スイカでは緑色マルチを利用することで、栽培上問題とならない程度に雑草は抑草できる(表略)。
  5. 収量と品質並びに作付体系:スイカ、ホウレンソウとも収量、品質は慣行栽培と同等程度である(表1)。作付体系は表3のとおりである。
  6. 経営経費:実支出経営費はスイカで19%、ホウレンソウ3作で9%の増加となる。慣行栽培と同等の所得を得るには、単価をスイカは15%、ホウレンソウは5%高めに設定し、粗収益を増加させる必要がある(表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 品種は鳥取県中部の慣行品種でスイカは「縞王マックス」、ホウレンソウ1作目「プラトン」、2作目「ミストラル」、3作目「アスパイアー」を使用した。
  2. 太陽熱消毒のかん水量は、黒ボク土層が30cm程度で下層が粘質土の地帯での目安であり、ほ場条件で調整する。また、地温の測定は、ハウス端部の深さ20cmとする。
  3. 天窓は3.7mおきに取り付けた。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 中山間地域におけるクリーンエネルギーを利用した野菜の省力安定生産技術
予算区分 地域基幹
研究期間 2001年~2004年度
研究担当者 川上俊博、竹内亮一、田中篤、竺原宏人、篠原勇一
発表論文等 なし

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