[成果情報名]

促成栽培用イチゴ新品種「山口9号」

[要約] 山口県農試育成系統「山口2号」を種子親に、同育成系統「HST」を花粉親にして交配し、育成した促成栽培用の品種である。うどんこ病に強く、果実が硬く、食味が良い。草姿は立性で、促成栽培期間中の腋芽やランナーの発生が少ない。
[キーワード] イチゴ、育種、うどんこ病、促成栽培
[担当] 山口県農業試験場・育種開発部・園芸育種グループ
[連絡先] 083-927-0211、okafuji.yumiko@pref.yamaguchi.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 促成栽培用イチゴ品種は「とよのか」、「女峰」の二大品種の時代から、現在では、様々な品種が育成され、山口県においても特徴あるオリジナル品種が求められている。
山口県の基幹品種である「とよのか」はうどんこ病に弱く、厳寒期の着色が不良である。また、近年作付けの増えた「さちのか」もうどんこ病に弱い。そこで、うどんこ病に強く果実品質などで優れた特徴をもつオリジナル品種を育成する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 育成経過
      1989年度に(とよのか×アイベリー)の選抜系統と(はるのか×女峰)の選抜系統を交配し、その中から食味が良い系統「山口2号」を選抜した。1990年度に「サマーベリー」と「とよのか」を交配し、その中から果実が大きく硬い系統「HST」を選抜した。1995年度に「山口2号」と「HST」を交配し、1997年度に、草姿、食味、収量の優れる本系統を選抜し、1998年度から2003年度にかけて、収量及び果実品質調査を行った。うどんこ病に強く、果実が硬く、食味がよいという特性が認められたので、2004年に品種登録を出願した。
  2. 特性
    (1) うどんこ病に強い。
    (2) 果皮、果肉が硬い(表3)。
    (3) 糖酸比が高く食味が良い(表3)。
    (4) 草姿は立性である。
    (5) 促成栽培中の腋芽やランナーの発生が少ない。
    (6) 頂花房の着花数は「とよのか」、「さちのか」より少ない(表1)。
    (7) 果実の形は長円錐で、平均1果重は「とよのか」並かやや重い(表2)。
    (8) 普通促成栽培における収穫始期は「とよのか」より遅く「さちのか」と同程度である(表2)。
    (9) 年内収量は「とよのか」より少ないが、3月までの総収量は「とよのか」や「さちのか」と同程度である(表2)。
    (10) 頂果が溝果になりやすく、低温で着色不良果が発生しやすいが、乱形果や奇形果、規格外の小果は少ない。
    (11) 炭疸病には弱い。
[成果の活用面・留意点]
  1. 現地実証栽培を実施しており(表4)、2006年から山口県内へ普及する予定である。
  2. 炭疸病対策として、育苗は雨よけ+底面給水が必要である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 イチゴ新品種の育成
予算区分 県単
研究期間 1989~2003年度
研究担当者 山本雄慈、岡藤由美子、金重英昭、松本理、片川聖、藤井宏栄
発表論文等 品種登録出願(2004年12月6日受理、17707号)

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