[成果情報名]

ファレノプシスのPLBは生長点付近の部分切開処理で効率的に増殖する

[要約] ファレノプシスのPLBの生長点付近の部分切開処理は、従来の切除処理にくらべてPLBの活着率が高く、切開部位に残った生長点から葉が展開することにより変異したPLBを判別しやすい、効率的な培養技術である。
[キーワード] ファレノプシス、PLB、部分切開処理、活着率
[担当] 徳島農総セ・農業研究所・栽培育種担当
[連絡先] 088-674-1660、nii_hironobui_1@pref.tokushima.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 ファレノプシスの増殖用培地であるハイポネックスポテト培地(木村、1991)はPLBの増殖が優れる培地であるが、品種によってはPLBの活着率が低下する。
 そこで、従来のPLBの分割法を改良した「部分切開処理」を検討し、本培地による安定的なPLBの増殖技術を確立する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 部分切開処理の手順は、PLBを1個ずつ分割して葉を除去し、葉の付いていた位置から縦に1/3程度の深さに切開する。従来法のように切り口が発生しないのが特徴である(図1)。
  2. 処理したPLBを2カ月間培養すると、PLBの表面から新しいPLBを形成し、切開部位に残った生長点から1~2枚の葉が展開しやすい(図1)。
  3. 従来法では活着率が低い品種でも、部分切開処理ではPLBの活着率が安定して高くなる(図2)。
  4. 部分切開処理でPLBを10個植え付けた場合、2カ月後に得られるPLBの個数は、従来法で活着率が低い品種ほど増加が顕著である(図3)。
  5. 処理部位からの葉の展開率は、従来法では0~5%であるが、部分切開処理では70%以上と高い。葉が正常であるかを見ることで、変異したPLB集塊を排除できる(図4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 部分切開処理は活着率の低い品種の増殖に適応するが、増殖数が少ない初期のPLBの増殖段階においても利用できる。
  2. 切開が深すぎると枯死するPLBが発生し、逆に浅すぎるとPLB形成数が減少するので、切開の深さに注意する。
  3. 切開部位から展開した葉が正常であっても、PLB集塊の中には変異したPLBも存在するので、個々の変異の判別は必ず行う。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 ファレノプシスのクローン苗大量安定供給システムの構築
予算区分 県単
研究期間 2002~2004年度
研究担当者 新居宏延、川村泰史
発表論文等 1)新居・川村ら(2004) 園芸学雑 73(別1):191.

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