[成果情報名]

低温期の球根アイリス切り花の開花不全を改善する前処理方法

[要約] 低温期に収穫した球根アイリス切り花は、つぼみのまま開花しないか、開花が途中で停止することが多い。収穫後、0.3mMジベレリンAを添加した10%ブドウ糖水溶液で3時間吸液処理すると、70%が正常に開花し、観賞期間が延長できる。
[キーワード] 球根アイリス、前処理、ブドウ糖、ジベレリン
[担当] 大阪食とみどり技セ・みどり環境部・都市緑化グループ
[連絡先] 0729-58-6551、toyohara@afr.pref.osaka.jp
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 12月~2月の低温期に収穫した球根アイリス切り花は、消費段階での開花不全が問題となっている。生産現場では開花不全を回避するため、固切りを避けて収穫し、3時間程度の吸水処理をした後、速やかに出荷する体制が組まれているが、解決に至っていない。
 このため、球根アイリス切り花の前処理に有効な糖の種類と、スイセン等で品質保持効果が報告されているジベレリンAの効果を明らかにし、有効な前処理方法を開発する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 球根アイリス切り花の出荷前処理として、5℃冷蔵庫内で0.3mMジベレリンAを添加した10%ブドウ糖水溶液で3時間の吸液処理を行うと、切り花の70%で外花被がすべて展開し、開花不全に対する抑制効果が高い(表1図1)。
  2. ジベレリンAを0.3mMで添加することで、正常開花率が向上する(表1)。
  3. 前処理液にジベレリンAを添加しない場合でも、20%ショ糖あるいは10%ブドウ糖溶液で正常開花率が向上する(表1)。10%ショ糖水溶液では花弁のしおれ発生が早く十分な効果が得られない(表1図1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 球根アイリス切り花の出荷前処理として活用できる。
  2. 前処理液には糖を添加しているため、抗菌剤を併用する必要がある。本成果ではイソチアゾリン系抗菌剤を所定の濃度で併用した。
  3. 長時間あるいは室温で前処理を行うと、処理中に開花が進み、商品性が低下する。
  4. 1本当たりのコストはおよそ4円である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 多様な担い手による地産地消型花き・緑化苗生産・流通システムの構築
予算区分 府単
研究期間 2003~2005年度
研究担当者 豊原憲子、内山知二、奥野裕貴
発表論文等 1)豊原ら (2005) 大阪食とみどり技セ研報 41:1-6

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