[成果情報名]

徒長的な新梢を利用したニホンナシ「愛甘水」の側枝育成法

[要約] 主枝・亜主枝の横~上面から発生した徒長的な新梢を予備枝として利用し、予備枝から伸長する新梢は6月中旬に摘芯する。これにより良質な側枝が確保できるとともに、側枝の育成期間も短縮できる。育成した側枝には1m当たり6果程度着果させる。
[キーワード] ニホンナシ「愛甘水」、徒長枝、摘芯、側枝育成、短果枝
[担当] 山口農試・栽培技術部・落葉果樹グループ
[連絡先] 083-927-0245、a17201@pref.yamaguchi.lg.jp
[区分] 近畿中国四国・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 県内では「新水」に代わる品種として、大規模法人団地を中心に「愛甘水」が導入されている。せん定方法は当初、「幸水」に準じて短い予備枝を取り、えき花芽及び短果枝に着果させていたが、えき花芽由来の果実は品質がやや劣ることから、短果枝主体の方法へと推移している。しかし短果枝の着生・維持がやや困難なこともあり、収量確保のためのせん定方法が課題となっている。
 そこで側枝育成期間の短縮と側枝数の確保を目的に、徒長的な新梢を利用した側枝育成法について検討する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 本技術は、主枝・亜主枝の横~上面から発生した長さ1m、基部径15mm前後の徒長的な新梢を利用する。先端部を上向きの葉芽で軽く切り返し、約45度に誘引して予備枝とする(図1)。
  2. 予備枝から伸長する新梢は、先端2芽以外を摘芯する。摘芯の方法は、果そう葉がある場合は残して、無い場合は4~5cmの長さで切り返す。摘芯処理により短果枝比率は無処理に比較して増加し、枝当たり9~10の短果枝が確保できる。これにより、軸折れしやすい上向き芽のせん除など、花芽の選択も可能となる(表1)。また側枝の育成期間も短縮できる。
  3. 摘芯時期は6月中旬が良く、これより早いと再伸長が大きい。遅いと不発芽の割合が多く、また、花芽着生数も減少する傾向にある(表2)。
  4. 育成した側枝への翌年の着果数は果重、糖度を考慮して、6果程度/mとする(図2)。
  5. 側枝当たり着果数は、徒長的な枝を利用し、摘芯を処理した側枝の方が多く確保できる。また、摘芯によって確保できた短果枝への翌年の着果比率は全体の約24%であり、果実品質は摘芯によらない短果枝のものと変わらない。従来型の側枝との果実品質の差もない(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 予備枝基部の上向き芽は、再伸長が大きいため、芽を削り落とす方がよい(データ省略)。
  2. 育成した側枝は2年程度結実させた後で更新する。
  3. 樹冠拡大が完了した樹で実施する。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 ナシ有望品種の生産安定技術
予算区分 県単
研究期間 2001~2005年度
研究担当者 明田郁夫

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