[成果情報名]

8月に収穫可能な観光直売用ブドウ品種の選定と栽培技術の改善

[要約] 観光直売の需要に適する高品質の大粒系ブドウの組み合わせとして紫黒色系では「巨峰(東部系)」、赤色系では「ゴルビー」、緑黄色系では「黄玉」が有望である。また、GA処理濃度は1回目を25ppm、2回目を12.5ppmにすると8月中に収穫が可能となる。また「ゴルビー」は着粒数を20~25粒にすると着色が向上する。
[キーワード] ブドウ、観光直売、品種、GA処理、着粒数、収穫日、着色
[担当] 京都丹農研
[連絡先] 0772-65-2401、h-yasukawa11@mail.pref.kyoto.jp
[区分] 近畿中国四国農業・果樹
[分類]技術・参考
   

[背景・ねらい]
 京都府丹後地域のブドウは主に直売用として「マスカットべーリーA」や「ピオーネ」等の紫黒色系品種が栽培されている。しかし、帰省や観光客の需要が多くなる8月に収穫できず、有利な販売ができていない。
 そこで、8月中に収穫が可能で、高品質なブドウ品種を紫黒色、赤色、緑黄色の各グループから一品種ずつ選定し、その栽培方法の改善を図る。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 「巨峰(東部系)」、「多摩ゆたか」は8月中旬から収穫が可能である。GA処理により一粒重は「巨峰(東部系)」、「キタサキレッド」、「ゴルビー」、「白峰」で13g以上となり、特に「ゴルビー」は大粒になる。糖度および食味は「巨峰(東部系)」、「ゴルビー」、「黄玉」が優れている(表1)。以上のことから食味を中心に考えて、紫黒色系では「巨峰(東部系)」、赤色系では「ゴルビー」、緑黄色系では「黄玉」(図1)が有望である。
  2. 2回目のGA処理濃度を25ppmから12.5ppmにすると、30%収穫可能となる日が「巨峰東部系)」では0~5日、「ゴルビー」では4~8日、「黄玉」では2~6日早くなり、ほぼ8月中の収穫が可能となり、果実糖度には差は認められない(表2)。
  3. 「ゴルビー」の着粒数を一房あたり20~25粒にすることで、果肉糖度等に影響はなく、着色が促進する(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 平棚、X字型長梢自然形、ハウス雨よけ栽培で活用する。特に「ゴルビー」、「黄玉」は樹勢が強いため、短梢せん定や垣根仕立て栽培では根域制限栽培等で樹勢をコントロールする必要がある。
  2. 2回目GA処理濃度を12.5ppmにすると、25ppmに比べて果房重、一粒重がやや小さくなる傾向がある。
  3. 「ゴルビー」は果粒が大きく、着色不良や裂果を生じることがあるため、摘粒を十分行うことが重要である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 観光需要期販売を可能にする大粒系ブドウ品種の栽培体系の確立
予算区分 府単
研究期間 2000~2004年度
研究担当者 安川博之、久木崎孝弘、岩川秀行

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