[成果情報名]

モモ「清水白桃RS」の花器の形態異常による結実率の低下

[要約] モモ「清水白桃」に放射線を照射して育成した黒斑病抵抗性品種「清水白桃RS」 の結実率が「清水白桃」と比べて低いのは、「清水白桃RS」の雄性器、雌性器が異常 な不完全花が多いためである。
[キーワード] モモ、花器不全、結実率
[担当] 岡山農総セ・農業試・果樹研究室、岡山大学・農学部・果実発育調節学研究室
[連絡先] 0869-55-0276、masako_ootsuka@pref.okayama.lg.jp
[区分] 近畿中四国農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 モモ「清水白桃」に放射線を照射して育成した黒斑病抵抗性品種「清水白桃RS」(2004年11月8日に品種登録)は、果実品質は「清水白桃」とほぼ同等であるが、結実率が低い傾向が見られた。そこで、花器の形態観察から結実率が低い原因の解明を行う。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 「清水白桃RS」の結実率は、「清水白桃」の3~4割である(表1)。
  2. 「清水白桃RS」は、葯の大きさが「清水白桃」と比較して小さく、花粉量が少ない。また、形態の異常な花粉が4割近くあり、花粉の発芽率が低い(表2)。
  3. 人工受粉を行った場合、花柱の基部まで到達した花粉管数に「清水白桃」との差は認められない(表3)。
  4. 子房の内部を観察すると、「清水白桃RS」は胚珠や胚のうの退化している不完全花が5割程度と多い。また、胚珠の大きさが小さく、発育が劣る(表4)。
  5. 以上の結果から、「清水白桃RS」の結実率が低いのは、雄性器(花粉や葯)、雌性器(胚珠や胚のう)の形態的な異常によるものであると考えられる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「清水白桃RS」は、結実率が低いので、摘蕾は行わない。
  2. 結実率が低い特性を生かして、摘蕾、摘果作業を省ける可能性がある。
  3. 「清水白桃RS」の収量性、作業の省力程度については今後検討を行う。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 放射線照射によるモモの新品種育成
モモ「清水白桃RS」の省力栽培法の確立
予算区分 県単
研究期間 2001~2004年度
研究担当者 大塚雅子、藤井雄一郎、日原誠介、岡本五郎(岡山大学)
発表論文等 藤井ら(2004)園芸学会雑誌73(別2):331

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