[成果情報名]

ウンシュウミカン「石地」の夏肥由来窒素の利用と光合成産物の分配特性

[要約] ウンシュウミカン「石地」では、「南柑20号」に比べて施用1か月後および6か月後に夏肥由来窒素の地下部への分布が少ない。また、光合成産物の分布率は夏季および冬季の果実で高く、夏季の地下部で低い。
[キーワード] ウンシュウミカン、「石地」、夏肥、光合成産物、分配
[担当] 広島農技セ・果樹研・常緑果樹研究室
[連絡先] 0846-45-1225、ngcjouryoku@pref.hiroshima.jp
[区分] 近畿中国四国農業・果樹
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 ウンシュウミカン「石地」は、結果期に入ると、新梢が短くなる、葉が小型化するなどの樹勢低下がみられ、隔年結果する傾向がある。しかし、樹勢低下の要因は明らかにされておらず、栽培上大きな問題となっている。そこで、その要因を明らかにするために、成熟期が同時期の主力品種である「南柑20号」を対照として、夏肥由来窒素の利用と光合成産物の分配を重窒素(以下15N)と重炭素(以下13C)を用いて解析する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 7月の「石地」の細根率は「南柑20号」に比べて約10%低い(データ省略)。
  2. 施肥1か月後の「石地」における15N分布率は、「南柑20号」に比べてその他の根で低い(図1)。施肥6か月後の「石地」における15N分布率は、「南柑20号」に比べて細根で低い(図2)。
  3. 「石地」の光合成速度は、「南柑20号」に比べて夏季には約20%高く、冬季には同等である(データ省略)。
  4. 夏季における「石地」の13C分布率は、「南柑20号」に比べて地下部および枝で顕著に低く、果実で高い(図3)。
  5. 冬季における「石地」の13C分布率は、「南柑20号」に比べて果実で高い(図4)。
  6. 以上の結果より、「石地」では夏肥由来窒素および夏季の光合成産物の地下部への分配率が低いため、根の発育が低下し、樹勢低下の一因となっていることが考えられる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「石地」を樹勢強化するための各種管理技術の参考になる。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 県内育成温州の早期普及を図る施肥法および育苗法の開発
予算区分 県単
研究期間 2001~2005年度
研究担当者 長谷川美穂子、中元勝彦

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