[成果情報名]

黒毛和種去勢子牛への粗飼料給与割合が発育と産肉性に及ぼす影響

[要約] 去勢子牛において4~10か月齢の育成期に粗飼料を多給すると、育成期間中の増体量が小さく飼料効率は悪いが、第1、2胃の重量及び容積は大きくなる。30か月齢まで肥育すると肉質では大きな差は無いが、枝肉重量は粗飼料多給で育成した方が大きく、経済効果が高い。
[キーワード] 肉用牛、黒毛和種、去勢牛、粗飼料、発育、産肉性
[担当] 兵庫農総セ・北部・畜産部
[連絡先] 079-674-1230、Masanobu_Noda@pref.hyogo.jp
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
  子牛市場では出荷時体重の大きな子牛が高値で取引されていることから、濃厚飼料の多給により過肥ぎみの子牛が育成される傾向が強くなっている。このことは従来から問題視されてはいるが、粗濃比の異なる飼料給与が子牛の発育及びその後の肥育成績にどの程度影響を及ぼすのか具体的な数値が示されていない。そこで繁殖農家及び肥育農家への具体的な指導指標を作成するため、育成期における粗飼料及び濃厚飼料の給与割合の違いが子牛の発育並びに肥育成績に及ぼす影響を検討する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 黒毛和種去勢子牛42頭を用い、粗飼料からの可消化養分総量(TDN)給与割合が20%区(15頭)、40%区(11頭)、60%区(16頭)を設定して4~10か月齢まで育成し、育成終了時に42頭中10頭(20%区3頭、40%区3頭、60%区4頭)をと畜解体して内臓器官の発達と体脂肪蓄積状況を調査する。残り32頭を30か月齢まで同一条件で肥育し、枝肉成績を調査する。
  2. 育成期間中の体重1kg増加に要したTDNは60%区が最大であり、粗飼料給与割合の増加に伴い飼料効率が悪くなる傾向がみられる(表1)。
  3. 育成終了時における生体重当たりの第1、2胃の重量及び容積の割合は粗飼料を多給した40%、60%区が大きく、体脂肪の蓄積は濃厚飼料多給の20%区が多くなる傾向がみられる(表2)。
  4. 10か月齢までの増体量は粗飼料給与割合の増加に伴い低下する傾向にあるが、肥育期間に入ると60%区の増体量が有意に大きく、肥育終了時体重は60%区が最大となる()。
  5. 枝肉重量は60%区が最大であり、皮下脂肪は20%区が厚い傾向にある。肉質面ではバラの厚さ、ロース芯面積、脂肪交雑で区間に大きな差は無い(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 子牛の育成については粗飼料多給の方がその後の肥育成績を考慮すると有利である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 黒毛和種去勢牛の育成時の発育速度がその後の産肉性に及ぼす影響
予算区分 県単
研究期間 1998~2003年度
研究担当者 野田昌伸、坂瀬充洋、福島護之、岡 章生、岩木史之

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