[成果情報名]

生ふんの加熱撹拌水分調整によるたい肥化方法

[要約] 水分の高い生ふんを加熱撹拌しながら蒸発で水分調整すれば、副資材を用いてたい 肥化する方法に比べ、たい肥施設規模と堆肥生産量を大幅に縮小できる。
[キーワード] 家畜ふん尿、乳用牛、生ふん、たい肥、水分調整、加熱乾燥
[担当] 島根畜試・資源環境グループ
[連絡先] 0853-21-2631、arima-yoshinobu@pref.shimane.jp
[区分] 近畿中国四国農業(畜産草地)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 家畜排せつ物は水分率が高く、たい肥化のための水分調整に大量の副資材を添加し増量するのでたい肥化施設が大きくなり、たい肥利用の面積を広く確保する必要がある。そこで、水分調整を加熱撹拌で行うための実用規模の装置を民間会社と共同開発し、副資材を用いるたい肥化方法と比較した特性やコストを示し、たい肥化方法の一つの選択肢として推奨する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 加熱撹拌水分調整装置(1回で3トンの生ふん処理可能)は水平ドラム回転式の撹拌機と熱風発生器とを結合する(図1)。
  2. 生ふんの水分調整を加熱撹拌で行う方式(加熱撹拌方式)は同装置でオガクズと撹拌し加熱しないで水分調整する方式(副資材方式)に比べ、たい肥量は1/3に減量できる。また、加熱撹拌方式はふんの直径3cm以下の団粒が長期に保持され、空気の浸透性が高まり、たい肥化期間が2/3に短縮できる(表1)。
  3. たい肥化に必要な処理場面積は加熱撹拌方式が副資材方式の約1/3である(表2)。
  4. 加熱撹拌水分調整装置を含む処理施設費は両方式で大差はないが、ランニングコストは加熱撹拌方式が副資材方式の約4.5倍である(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 増頭が処理施設の拡大なしでできる。
  2. ふんは水分約70%で団粒化するので、適正な水分調整が視覚で確実にできる。
  3. 加熱撹拌水分調整後は余熱でたい肥化を開始するので、厳寒期に発酵の開始が早い。
  4. 半液状生ふんの加熱撹拌水分調整はランニングコストが副資材方式水分調整の約4.5倍であるが、戻したい肥と撹拌して固形化した後、加熱撹拌水分調整すれば熱効率が向上し、ランニングコストが副資材方式の3倍程度となる。
  5. 加熱撹拌水分調整装置は断熱材を用いる等で、大幅な熱効率向上とランニングコスト低減の見込みがある。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 家畜排せつ物の加熱乾燥による堆肥化処理の研究
予算区分 県単
研究期間 2002~2003年度
研究担当者 有馬儀信、竹並敦子、宇谷道弘、小田和正(第一コンサル)、島田義久(第一コンサル)、田中 稔(第一コンサル)
発表論文等 1)特許出願2004-107724.
2)島田義久(2004)島根の畜産658:5-6.
3)有馬儀信ら(2004)関西畜産学会報155:9(H16年大会口頭発表)

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