[成果情報名]

飲水の塩素濃度が採卵鶏へ及ぼす影響

[要約] 褐色卵殻鶏に塩素消毒剤を添加した飲水を給与すると、塩素濃度200ppmでは一時的な飲水量の減少のあと回復するが、400ppmでは継続して減少し、800ppm以上では飲水自体を行わない。産卵率は、200、400ppmで一時的に低下するが、その後は回復する。
[キーワード] 卵用鶏、高病原性鳥インフルエンザ、飲水消毒、塩素消毒剤、塩素濃度
[担当] 京都畜技セ・経営・指導部
[連絡先] 0773-47-0301、s-goda22@mail.pref.kyoto.jp
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 養鶏場における高病原性鳥インフルエンザの防疫対策の一環として、鶏の飲水消毒は重要な課題であるが、小規模飼養農家にあっては経費面等から飲水消毒に簡易な塩素添加器具や自家製の添加装置を利用しようとする農家が多い。しかし、養鶏場における水の使用量は、気温による鶏の飲水量の変化や飲水以外に利用される水の状況により一定ではなく、投与方法によっては比較的高濃度の塩素が添加されてしまう可能性がある。このことから飲水の塩素消毒自体に不安を抱く農家もある。そこで、採卵鶏に対して安全な飲水の塩素消毒を普及するための基礎資料として、飲水の塩素濃度が採卵鶏へ与える影響について検討する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 採卵鶏における飲水可能な塩素濃度の限界を知るために1区2羽の80週齢の褐色卵殻鶏に対して塩素濃度50、100、200、400、800、1,600、3,200ppmの飲水を給与すると、800ppm以上では飲水自体を行わない(表1)。
  2. 1区5羽の57週齢の褐色卵殻鶏に対して塩素濃度0、50、200、400ppmの飲水を給与すると、0及び50ppmでは飲水量への影響は認められないが、200ppmでは1~7日時に一時的に減少し、400ppmでは投与期間中、継続して減少する(表1)。
  3. 産卵率は200、400ppmで飲水量が減少する1~7日時に一時的に低下するが、その後回復する(表2)。
  4. 卵殻破壊強度、卵殻厚については塩素濃度による影響は認められないが、ハウユニットについては400ppmにおいて産卵率と同様、1~7日時に低下する(表3)。
  5. 血液性状及び血液生化学検査とマクロファージの免疫機能検査を実施したところ、ヘマトクリット値、尿酸、GOT及びマクロファージの走化性と貪食能からは塩素濃度による影響は認められない(表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 採卵鶏に影響を与える塩素濃度の指標となるが、生産物の安全性評価については、今後検討する必要がある。
  2. 飲水の塩素濃度は水道水質基準の範囲で適切に管理し、随時点検する。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 飲水の塩素濃度が採卵鶏へ及ぼす影響
予算区分 府単
研究期間 2004年度
研究担当者 合田修三、松岡三知世、西井真理、八木 充
発表論文等 合田ら(2005) 京都畜技セ試研成績2:掲載予定

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