[成果情報名]

ビタミンA給与制限時期が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響

[要約] ビタミンA給与制限の開始時期が12カ月齢と16カ月齢では、体格の異なる黒毛和種去勢牛においても増体量および脂肪交雑に差が認められない。しかし、胸最長筋脂肪中の脂肪酸組成は早期からのビタミンA制限によりモノ不飽和脂肪酸割合が低下する。
[キーワード] 肉用牛、黒毛和種、ビタミンA、脂肪酸組成
[担当] 兵庫農総セ・畜技・家畜部
[連絡先] 0790-47-2427、akio_oka@pref.hyogo.jp
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 黒毛和種肥育牛では肥育中期にビタミンA給与を制限すると脂肪交雑が良くなることが報告されているが、その制限時期は15~25カ月齢と明確に限定されていない。また、黒毛和種には体格の大きく異なるものが存在し、体格によって成熟月齢も異なると言われているため、大型と小型の牛ではビタミンAの影響する時期が異なる可能性も考えられる。そこで、体格の異なる黒毛和種去勢牛を用い、ビタミンA給与制限時期の増体、肉質に対する影響を検討する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 10カ月齢の黒毛和種去勢牛で大型の広島県産(L区)8頭と小型の兵庫県産(S区)10頭を用い、ビタミンA給与制限時期(12-23カ月齢:12カ月齢開始区、16-27カ月齢:16カ月齢開始区)によりそれぞれ2区に分け4区(L-12区、L-16区、S-12区、S-16区)を設ける。ビタミンAは制限時期以外は毎月100万IUを筋肉注射し、制限時期においても制限終了2カ月前から毎月20万IUを筋肉注射する。また、各区とも23カ月齢以降は飼料にビタミンA(400IU/kg濃厚飼料)を添加して与える。飼料は各区とも同一のものを給与する。
  2. 血漿中ビタミンA濃度は体格による差は見られないが、制限時期による影響は16カ月齢以降見られる(図1)。
  3. 体重は10および29カ月齢ともにL区がS区よりも重く、一日増体量も体格による差は見られるが、制限時期による差は認められない(表1)。
  4. 枝肉重量、ロース芯面積およびバラ厚はL区がS区よりも大きくなるが、ビタミンA制限時期の影響は見られない(表2)。脂肪交雑および胸最長筋中粗脂肪含量には体格、ビタミンA制限時期の影響は見られない。
  5. 胸最長筋脂肪の脂肪酸組成では、12カ月齢開始区は16カ月齢開始区よりもパルミチン酸(C16:0)が有意に高くなり、牛肉の風味に影響するオレイン酸(C18:1)およびモノ不飽和脂肪酸が有意に低くなる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. これらのデータを活用することにより,より効率的な牛肉の生産が可能になる。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 種雄牛の遺伝的産肉能力の明確化による合理的肥育技術の開発
予算区分 地域基幹
研究期間 1999~2003年度
研究担当者 岡 章生、岩木史之、岩本英治

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