[成果情報名]

バークシャー種における赤肉生産量の向上のためのLysine/ME比の検討

[要約] バークシャー種に、給与飼料中のLysine/ME比を(130~180%)高めた飼料を給与すると、背脂肪厚(セ)は薄くなり、ロース断面積(第10-11胸椎間)は大きくなる。
[キーワード] バークシャー種、Lysine/ME比、背脂肪厚、ロース断面積
[担当] 岡山総畜セ・環境家畜部・中小家畜科
[連絡先] 0867-27-3321、tooru_sano@pref.okayama.jp
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 近年、地産地消が推奨される中、本県では純粋バークシャー種であるおかやま黒豚の産地拡大と銘柄化を推進している。しかし、バークシャー種の問題点として、背脂肪厚(BF)が厚く格落ちになる個体が多いことやロース断面積(EM)の著しく小さい個体が散見される。そこで、バークシャー種のBFのコントロールおよびEMの増加を目的として、給与ステージごとに飼料中の代謝エネルギー(ME)当たりのLysine含有量(Lysine/ME比)を検討する。
[ 成果の内容・特徴 ]
 日本飼養標準・豚(1998年版)の要求量(対照区)に対し、ME(ME=可消化養分総量(TDN)×44.12×0.96)を一定にして給与ステージごとのLysine/ME比を115%(43~62日齢)、130%(63~122日齢)、150%(123日齢~試験終了)に設定した試験区1、同じく130%、150%、180%に設定した試験区2を設け、各区にバークシャー種去勢豚および雌豚各7~8頭を配置する。そして、試験期間中は試験用飼料を不断給餌し、体重が110kgに到達した時点でと殺後、枝肉成績および胸最長筋の肉質を調査する。
  1. 試験区1は、対照区と比較していずれの性別でもBF(セ)に有意な差はない。試験区2は、対照区と比較して去勢豚で有意に薄くなる(P<0.05)が、雌豚では逆に厚くなる (P<0.01)(図1および)。
  2. 試験区1は、対照区と比較して去勢豚ではEM(第10-11胸椎間)に差はないが、雌豚では有意に大きくなる(P<0.05)。試験区2は、対照区と比較して去勢豚で有意に大きくなる(P<0.05)が、雌豚では差がない(図3および)。
  3. 試験区間で肉質分析成績および110kg到達日齢に有意な差はない(表1)。
  4. 以上から、給与ステージごとに飼料中のLysine/ME比を130%、150%および180%に変更することで去勢豚のBF(セ)は薄くなりEM(第10-11胸椎間)は大きくなる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 飼料中のLysine/ME比を変更することで、発育および肉質成績を低下させることなく産肉成績(BFおよびEM)を向上できる。
  2. 雌豚では一定の割合を越えると逆に生産量は低下する可能性も考えられる。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 バークシャー種における赤肉生産量の向上のためのLysine/ME比の検討
予算区分 県単
研究期間 2003~2004年度
研究担当者 佐野 通、荒金知宏、森 尚之、武縄勝浩、北村直起
発表論文等 1)佐野ら(2004)岡総畜セ研報.15:116-123.
2)佐野ら(2004)(財)伊藤記念財団食肉に関する助成研究調査成果報告書.
VOL.22:113-116.
3)佐野ら(2004)第81回日本養豚学会大会講演要旨:6

目次へ戻る