[成果情報名]

放牧と脱脂米ぬか給与により肥育した無角和種の肉質及び脂質中の共役リノール酸の割合

[要約] 放牧と脱脂米ぬか給与により肥育した無角和種の肉は、低脂肪の赤身肉であり、その脂質中の共役リノール酸(cis9trans11 CLA)の割合は、一般肥育した無角和種及び黒毛和種の肉よりも高く、無角和種の肉を差別化する技術として期待される。
[キーワード] 放牧、肉用牛、牛肉、品質、共役リノール酸
[担当] 山口畜試・飼養技術部・家畜飼養G、放牧管理G
[連絡先] 0837-52-0258
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地、食品流通
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 山口県特産和牛である無角和種は、低脂肪なヘルシー牛肉として販売戦略を立てているが、低脂肪なだけでは優位性が出しにくい。また、近年地産地消のように地場産にこだわった農産物や、機能性成分を多く含むなど健康志向に対応した農産物への期待が高まっている。特に、共役リノール酸(CLA)は、反芻家畜の生産物に特異的に含まれ、抗ガン作用や脂肪燃焼効果(ダイエット効果)などの機能性を有するとして注目されている。そこで、地場産にこだわった飼料の給与及び共役リノール酸(cis9trans11 CLA)の増加による高付加価値化をねらいとして、無角和種をネザサ主体の野草地に肥育の全期間放牧し、補助飼料として脱脂米ぬか給与して放牧肥育を行い、その肉や脂質の特性を一般農家等の生産した無角和種及び黒毛和種と比較する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 放牧と脱脂米ぬか給与により肥育した無角和種の赤身肉の脂肪含量は、黒毛和種に比べて少ないが、一般肥育した無角和種とは変わらない(表1)。
  2. 各部位の脂質中の共役リノール酸の割合は、筋内脂肪(胸最長筋)が0.56%、筋間脂肪が0.69%、 皮下脂肪が1.07%、腎脂肪が0.44%と、皮下脂肪で多い(表3)。
  3. 筋内脂肪(胸最長筋)中の共役リノール酸は、一般肥育した無角和種及び黒毛和種が0.30%、0.29%であるのに対し、試験牛では0.56%と多くなる。また、α-リノレン酸も同様に0.2%と多くなる(表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 無角和種を放牧と脱脂米ぬかを給与して肥育することにより、健康によいとされる共役リノ ール酸やα-リノレン酸の脂質中の割合を高くすることができ、低脂肪というだけでなく脂肪 酸組成の面からもヘルシー牛肉と考えることができる。
  2. 脂肪酸の分析に用いた脂質は極性脂質を含む(クロロホルム・メタノール混液により抽出)。
  3. 放牧と脱脂米ぬかを給与した無角和種の増体性、産肉性については劣る。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 県産食肉の食味性と高付加価値化に関する研究
予算区分 県単
研究期間 2000年~2004年
研究担当者 岡崎 亮

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