[成果情報名]

ウシ体細胞核移植における再構築胚盤胞の選別法

[要約] ウシ体細胞核移植における再構築胚では、6日目 (核移植日=0) に出現した胚盤胞が7日目に透明帯から脱出する胚を選別ことにより、染色体異常がみられず、細胞数が多い正常で良質な胚を選ぶことができる。
[キーワード] ウシ、体細胞核移植、 胚盤胞出現日、再構築胚、染色体異常、胚盤胞
[担当] 兵庫農総セ・生物工学
[連絡先] 0790-47-2414、Keiichirou_Tominaga@pref.hyogo.jp
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 ウシ体細胞核移植による再構築胚盤胞を用いた移植では正常産子の生産率が非常に低い。しかし、再構築胚の胚盤胞への発生率は体外受精胚と同じように高いため、胚盤胞の中から正常で良質な胚を選別後に移植すれば、正常産子の生産率が高まると考えられる。そこで、胚の形態的な特徴で選別するために、融合活性化後のサイトカラシン (CD) 処理の有無別に、胚盤胞の出現日と胚の正常性との関係を調べる。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 食肉センター由来ウシ卵子を18~19時間成熟培養後、0.25% ヒアルロニダーゼ を含む PBS (-) 液を用いて裸化し、除核する。
  2. ドナー細胞として5~12代継代した雄ウシの耳由来線維芽細胞を用い、0.5% 子ウシ血清添加DMEM液で5~9日間血清飢餓処理した細胞をレシピエント細胞質へ挿入する。
  3. 30 V/0.15 mm 25 μsec、1回の電気刺激により細胞を融合させ、15分後、融合卵子には20 V/mm 20 μsec、1回の電気刺激で活性化を行う。
  4. 10 μg/ml シクロヘキシミド (CH) 単独あるいは2.5 μg/ml CDを添加した培養液で1時間処理後CHのみを含む培養液で4時間処理し、CR1aa液をベースとした発生培養液で核移植8日目(核移植日=0)まで培養する。
  5. 胚盤胞の出現日 (6~8日:核移植日を0日) 毎に胚を分類し、6及び7日目胚盤胞は7日目に、8日目胚盤胞は8日目に透明帯からの脱出を確認後に、染色体標本 (Iwasaki and Nakahara, 1990) を作成し、総細胞数、分裂中期細胞数及び染色体異常を調べる。
  6. この核移植法により、CH及びCH+CD区とも45%を超える胚盤胞の出現率が得られる (表1)。
  7. CH+CD区で総細胞数は6日目に出現した胚盤胞で多く、両区とも中期核板数には差がみられない(表2) 。
  8. CH+CD区で8日目に出現した胚盤胞は細胞数が少なく、CD添加で染色体異常胚 (2n/3n、3n、4n、異数体) が増加する (表34)。
  9. CD処理の有無にかかわらず、6日目に胚盤胞になり、さらに7日目に透明帯から脱出した胚は、細胞数が多く、正常な胚盤胞でもみられる2n/4nのMixoploidy (CH: 2/6)を除いて、染色体異常はみられない (表34)。
[成果の活用面・留意点]
  1. ドナー細胞、核移植方法、発生培養方法による、再構築胚の発生速度及び胚盤胞の形態的な特徴の変化に注意する。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 胚の大量生産による優良牛の増産技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2003~2004年度
研究担当者 冨永敬一郎、岩木史之

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