[成果情報名]

気高系黒毛和種種雄牛における枝肉重量・ロース芯面積に関するQTLの位置とその効果

[要約] 第5染色体100~120センチモルガン(cM)にロース芯面積に関与するQTL、また、第6染色体30~40cMに枝肉重量とロース芯面積に関与するQTLが存在する。
[キーワード] 肉用牛、気高系、黒毛和種、経済形質、QTL、マイクロサテライトマーカー
[担当] 鳥取県畜産試験場・育種改良研究室
[連絡先] 0858-55-1362、oe_t@pref.tottori.jp
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 ある個体が優良遺伝子を保有しているか否かを推定する指標として育種価がある。こ の手法では、全兄弟牛の期待育種価は同じ値になる。実際は全兄弟においても親からの 遺伝子の伝わり方は異なる。そこで我々は、染色体に散在的に存在するマイクロサテラ イトを利用したマーカーアシスト選抜手法の開発に取り組んでいる。本手法を従来の統 計育種手法に組み入れることにより、選抜精度が向上することが期待される。
[ 成果の内容・特徴 ]
 本研究では、気高系種雄牛の半兄弟家系(肥育産子:去勢109、雌13)を用いてQTL解析を実施する。対象経済形質は、枝肉重量、ロース芯面積、バラ厚、皮下脂肪、歩留基準値、BMS-Noとし、形質データは性の効果(平成15年度12月鳥取県育種価により算出)を補正した値とする。本解析により気高系種雄牛における経済形質に関するQTLの位置とその効果を推定する。
  1. 枝肉重量に関与するQTLは第6番染色体30~40cM付近に推定され、アリル効果(優良アリル保有個体と保有してない個体の差)は39kgであり、この効果の全分散に占める割合は0.164である(表1図1)。
  2. ロース芯面積に関与するQTLを2つ推定し、1つは第5番染色体100~120cMに推 定され、アリル効果は4.7cm2であり(表1図2)、この効果の全分散に占める割合は0.086 である。2つ目は枝肉重量と同位置の第6番染色体30~40cMに推定され、アリル効 果は5.0cm2であり(表1図3)、この効果の全分散に占める割合は0.098である。
  3. ロース芯面積領域の両方の優良アリルをもつ個体と両方とも持たない個体の比較によ るアリル効果は9.5cm2である(図4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本種雄牛の後代に限り、早期の選抜に活用できる。
  2. 5番染色体と6番染色体、両方の選抜により、枝肉重量と向上とロース芯面積の向上が期待できる。
  3. マーカーアシストのみの選抜をすると他の検出されてない小さなQTLを無視して選抜することになる恐れがあるので、種雄牛候補の選抜には育種価など、他の情報も加味して総合的に判断する必要がある。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 鳥取県黒毛和種種雄牛におけるマイクロサテライトマーカーを用いた優良遺伝子座領域の探索
課題ID 04
予算区分 国補(畜産新技術実用化対策事業)
研究期間 2001~2004年度
研究担当者 小江敏明、溝口 康(動物遺伝研)

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