[成果情報名]

穀類膨張機を利用する簡易製茶法

[要約] 穀類膨張機を利用する製茶では、茶生葉の酸化酵素失活と膨張軟弱化破砕の同一工程処理が可能で、加熱加圧程度により原形から膨張的破砕及び爆発的破砕状態となり、蒸し風~炒り風~焙じ風等の荒茶が得られ、製茶時間は1~2時間にまで短縮できる。
[キーワード] チャ、簡易製茶、穀類膨張機、加温加圧、瞬時減圧、爆発的破砕
[担当] 島根農試・作物部・作物グループ
[連絡先] 0853-22-6650、tanida-minoru@pref.shimane.jp
[区分] 近畿中国四国農業・茶業
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 緑茶の製造法は、茶生葉の酸化酵素失活を蒸熱や釜炒り等により行った後、茶葉を揉みながら乾燥する工程と解釈できる。
 ここでは穀類膨張機を利用して、茶葉を内部から破砕する簡便な製茶法の開発を図る。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 茶生葉を穀類膨張機に投入後密閉し、回転を伴う加熱加圧により炒り蒸して酸化酵素失活を図り、蓋の瞬時開放による取り出し時の瞬時減圧により茶葉を内部から膨張軟弱化破砕し、その後乾燥して荒茶とする簡易製茶法である。
  2. 穀類膨張機釜内加圧を2~6気圧にして製造すると、加圧増に伴い処理時間は43~75秒と増え、釜蓋開放時の釜内部圧力が高い場合には爆発的破砕(爆砕)状態となり、釜内部圧力が爆砕時より低い場合には膨張的破砕(膨砕)状態となる(表1)。また、釜内加圧1~4気圧の範囲では、加圧増に伴い処理時間は41~79秒と増え、ほぼ原形状態から膨砕状態さらには爆砕状態となる。なお、処理時の釜外側温度は139~162℃と加熱加圧増に伴い高くなる(表2)。
  3. 乾燥後の重量歩留まりは24~17%(表1)、27~19%(表2)となり、加圧増による回収ロスのため低下する。
  4. 官能審査では、加熱加圧増に伴い、蒸し風から炒り蒸し風、炒り風、炒り焙じ風、さらに焙じ風となり、また、同じ材料を用いた煎茶に比較してこの製法では苦渋味が和らぐ(表1)。
  5. 棚式透気乾燥機を用いて排気温度58~80℃の範囲で乾燥すると、乾燥時間は約1~3時間と高温ほど短くなる(表3)。
  6. 荒茶の成分含有量をみると、簡易製茶区では、煎茶標準製茶法区(煎茶区)に比べ、全窒素・タンニン・カフェイン・粗繊維では大差ないが、ビタミンCは2気圧区で半減し、それ以上の加熱加圧区では加圧に応じてさらに減少する。また、アミノ酸では2及び3気圧区がやや多い傾向である(表4)。
  7. この簡易製茶法では、製造に要する時間を従来の4~5時間から1~2時間にまで短縮でき(表1~3)、また、これまでのような多数の高価な機械設備や熟練を要する高度な製茶技術がなくても、比較的簡便に製茶できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 現状の荒茶状態でも問題ないが、製品の均質性や抽出性等を考慮して、細片化しておくとティーバッグやペットボトル用等の材料としての利用性が高まる。
  2. 成分等の抽出用材料としての利用では、破砕処理後直ちにあるいは冷凍保管後に抽出を行うと乾燥工程が不要になり、一層簡略化された製茶作業となる。
  3. 平成17年度に市販される予定である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 緑茶用品種比較試験2)茶主要品種の多用途有効利用法の開発
予算区分 県単
研究期間 2002~2003年度
研究担当者 谷田穂、岡正明((株)桃翠園)、石倉浩((株)桃翠園)
発表論文等 1)谷田ら(2004)茶研報98(別冊):124-125.
2)特許申請、茶の製造方法、特願2004-102955

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