[成果情報名]

粉末化された煎茶とてん茶の無機元素組成による判別法

[要約] 粉末化された煎茶とてん茶(抹茶)は形状が類似しているが、11元素(Al、B、Ba、Cu、Fe、Li、Mg、Mn、Ni、Sr及びZn)を用いる線形判別式により両者の判別が可能である。
[キーワード] チャ、煎茶、てん茶(抹茶)、線形判別、無機元素組成
[担当] 京都茶研・化学担当
[連絡先] 0774-22-5577、kyoto-chaken@mail.pref.kyoto.jp
[区分] 近畿中国四国農業・茶業
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 煎茶は、飲用や食べるお茶などに利用されているが、その利用に当たって粉末化された場合、てん茶(抹茶)と形状が類似していることから、偽装して用いられる恐れがある。
  そこで、京都府内産の煎茶とてん茶(抹茶)の相違を無機元素分析を通して明らかにし、両者の判別技術を開発する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 茶試料の調整は硝酸と過酸化水素水を用いる湿式灰化法により行う。また、無機元素含量はICP発光分析法により行う(図1)。
  2. 緑茶の粉末は、てん茶を原料とする場合は葉の部分が使用され、煎茶を原料とする場合は葉と茎が使用される。そこで、てん茶の生葉では、葉と茎に分けて無機元素含有量を求めたところ、10元素(Al、B、Ba、Cu、Fe、Li、Mg、Ni、Sr及びZn)において、有意差が認められる(表1)。
  3. てん茶と煎茶の荒茶において、有意差が認められるMnを加えた11元素を用いた線形判別分析法により得られた式1を用いることで、てん茶と煎茶の判別が可能である。
  4. 式1は、16年産のてん茶(22点)と煎茶(20点)及び15年産のてん茶(7点)と煎茶(10点)についても判別率が100%であることから有効と判断される(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 京都府内の単年度産のてん茶及び煎茶の生葉についても、生葉用の線形判別式を用いることにより判別が可能であるが、多年度にわたり使用できる判別式を得るには更にデータの蓄積が必要である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 野菜・茶およびウメの原産地表示判別技術の開発 宇治茶および栽培土壌の元素分析
予算区分 高度化事業
研究期間 2002~2004年度
研究担当者 木下和二、木村泰子、南野貴志、大串卓史

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