[成果情報名]

DNA マーカーによるイチゴ品種「アスカルビー」の識別

[要約]3 つのプライマー対を同時に混合してPCR 反応を行うマルチプレックスPCR 法により、「アスカルビー」を他の主要なイチゴ23 品種・1系統と識別することができる。
[キーワード]イチゴ、DNA マーカー、品種識別
[担当]奈良農技セ・研究開発部・生産技術担当・資源開発チーム
[連絡先]電話番号 0744-22-6201、電子メール nomura@naranougi.jp
[区分]近畿中国四国農業・生物工学
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 奈良県で育成された「アスカルビー」は市場の評価も高く、栽培面積も増加している有望な品種である。育成者権保護あるいは不正表示の防止のためにもDNA による品種識別法の開発が望まれている。そこで、マルチプレックスPCR 法により「アスカルビー」と他の23 品種・1 系統とを識別可能なDNA マーカーを開発する。
[成果の内容・特徴]
  1. 識別対象となるイチゴの葉片からゲノムDNA を抽出する。抽出したゲノムDNA をテンプレートとしてPCR 反応に供する。
  2. 3 つのプライマー対(表1)を「アスカルビー」識別マーカーとしてPCR 反応液中に同時に混合し、PCR 反応を行う。PCR の反応条件は94℃で5 分間反応後,94℃・30 秒間,54℃・30 秒間,72℃・1 分間を30 回繰り返した後,最後に72℃・7 分間反応させる。
  3. PCR 反応終了後,得られた産物の一部を1.5%アガロースゲルで電気泳動を行う。
  4. 電気泳動終了後、ゲルを染色し、UV 照射下でバンドパターンを比較する。
  5. STS19 マーカーでは「アスカルビー」および「ダナー」においてのみバンドを検出できない(図1)。
  6. OPE19STS マーカーでは全ての品種で共通にバンドを検出でき、PCR 反応が成功していることを確認できる(図1)。
  7. Gal マーカーでは「あかねっ娘」、「ダナー」および「宝交早生」でのみバンドを検出できる(図1)。
  8. これら3 つのDNA マーカーを用いて、「アスカルビー」を他の23 品種・1 系統と識別することができる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 識別品種のサンプルは葉片に限らず、がく片や果実等、ゲノムDNA が抽出可能な組織であればいずれも識別可能である。
  2. 識別可能な23 品種・1 系統以外の品種・系統について、識別の可否は検討していない。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名野菜・茶およびウメの原産地表示判別技術の開発
予算区分高度化
研究期間2002~2004 年度
研究担当者野村貴浩、浅尾浩史
発表論文等野村ら(2005)近中四農業研究7:37-41

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