[成果情報名]

SSRマーカーによるヤマノイモ新品種‘ねばりっこ’の品種識別法の開発

[要約]6組のSSRマーカーにより、鳥取県が育成したヤマノイモ新品種‘ねばりっこ’の品種識別が可能である。
[キーワード]ヤマノイモ、SSR、品種識別 ねばりっこ
[担当]鳥取園試・生物工学研究室、野菜茶研・機能解析部・育種工学研究室
[連絡先]電話 0858-23-1341、電子メール yonemurayoshitaka@pref.totori.jp
[区分]近畿中国四国農業・生物工学
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 ヤマノイモ属植物は栽培地域によって多くの系統が存在し、気候、土壌及び栽培条件によりイモの形状が変わることから、イモの形状による品種・系統の識別が困難である。近年、農産物の育成者権を侵害した種苗生産や収穫物の流通等が増加し、問題となっている。特にヤマノイモ属植物はイモやムカゴから栄養繁殖できるため、産地や市場から流出し広まりやすい。このため、育成者の権利保護に向けて、DNAマーカーによる識別技術を確立しておくことが重要である。本研究では、鳥取県が育成したヤマノイモ新品種‘ねばりっこ’について育成者権を保護するための品種識別技術を確立することを目的としたSSR(Simple Sequence Repeat)マーカーの開発を行う。
[成果の内容・特徴]
  1. ナガイモのイモ表皮4 gからFast DNA Kit(BIO 101)を用いて、ゲノムDNAを抽出し、Min Elute Purification(QIAGEN)を用いて精製する。布目ら(2004)の方法に従ってナガイモのSSR濃縮ライブラリーを作成する。SSRマーカー自動設計システム「read2Marker」(福岡ら、2004)を用いて36組のプライマーを設計する。ポストラベル法により、得られた増幅産物をR6G-ddCTPで蛍光標識し、DNAシーケンサーで電気泳動後、フラグメントを解析する。
  2. 解析した36組のプライマーのうち、6組から‘ねばりっこ’は両親の持つ対立遺伝子の一方が遺伝していることが明らかとなり、親子関係にあることが識別できる(図1表1表2)。
  3. 以上のことから、県育成ヤマノイモ新品種‘ねばりっこ’について、6組のSSRマーカー用いた品種識別が可能である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 市場流通している‘ねばりっこ’のイモから品種識別が可能である。
  2. ‘ねばりっこ’の種苗生産段階において、他系統の混入識別が可能である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名バイテクによるナガイモ及びラッキョウ新品種の育成
予算区分県単
研究期間2004~2005年度
研究担当者米村善栄、森本隆義、布目司(野菜茶研)、福岡浩之(野菜茶研)、田平弘基
発表論文等品種登録番号10986
米村ら(2005)園学雑74別2:594.

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