[成果情報名]

水稲「秋の詩」「大育 1743」の玄米や培養細胞へのイオンビーム照射適正線量

[要約]水稲「秋の詩」と「大育1743」について炭素イオン(12C6+)のエネルギー320 Mev条件でイオンビームを照射する場合、玄米では発芽率と稔実率から見て20~80 Gyが適正で ある。また、培養細胞では再分化率や再分化本数から見ると10~20 Gyが適正である。
[キーワード]水稲、玄米、培養細胞、イオンビーム
[担当]滋賀農技セ・先端技術開発部・生物工学担当
[連絡先]電話番号 0748-46-3083、電子メール kitamura-harushige@pref.shiga.lg.jp
[区分]近畿中国四国農業・生物工学
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 水稲についてイオンビームを照射し、窒素吸収能や窒素利用効率の改善された突然変異個体の作出を目指す。
 ここでは、滋賀県で育成した「秋の詩」と「大育1743」の玄米および培養細胞に炭素イオンビームを照射する場合の、照射適正線量を検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. 「秋の詩」と「大育1743」の玄米を用い、炭素イオン(12C6+)のエネルギー320 Mev条件下で、線量 20~200 Gyで胚芽部分に照射し、玄米の発芽率や稔実率を調査すると、線量反応曲線が作成できる。
     照射線量を強くすると発芽率、稔実率が低下し、140 Gy以上では発芽しない。線量反応曲線の肩付近から半数致死線量(LD50)の間が照射適正線量であるといわれていることから、「秋の詩」では、40~80 Gyが、「大育1743」では、20~40 Gyが適正であると考えられる(図1,2)。
  2. 「秋の詩」と「大育1743」の玄米をカルス誘導培地に置床する。置床27日後、42日後にカルスのサイズを直径1mmに揃え、炭素イオン(12C6+)のエネルギー320 Mev条件下で、線量 5~20 Gyで照射する。照射2日後に増殖培地に置床すると42日後に再分化培地に移植できる。
     置床49~56日後には、「秋の詩」では20 Gy照射では再分化率が低下する。また、「大育1743」では15 Gyで再分化率が低下するが、20Gyではカルスの肥大は良くないが再分化率は無照射と同程度である。これらのことから、培養細胞では再分化率や再分化本数から見ると10~20 Gyが適正であると考えられる(表1図3)。
[成果の活用面・留意点]
 次年度以降、変異個体を作出するための基礎データとして用いる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名バイオテクノロジーを利用した育種改良技術の開発
予算区分県単
研究期間2004~2007年度
研究担当者北村治滋、森 真理、佐藤大祐、片山寿人、長谷純宏、田中 淳(日本原子力研究所)
発表論文等森ら (2005) 第3回イオンビーム生物応用研究ワークショップ論文集 25-27.
北村ら (2005) TIARA研究発表会要旨 68-69.

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