[成果情報名]

オカラ・廃タマネギ炭化物の肥効特性と利用法

[要約]有効なリサイクルの手だての少ない、廃タマネギ、オカラの炭化による施用効果を明らかにした。これら炭化物は窒素、リン、カリウム、カルシウム及びマグネシウム含有率が高く、木炭に期待される保水性・排水性の向上に加え肥効の期待できる炭化物となるが、窒素の可給性は極めて低い。
[キーワード] 
[担当]兵庫農総セ・農林水産環境担当
[連絡先]電話番号 0790-47-2420、電子メール Hiroyuki_Maki@pref.hyogo.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 資源循環型社会の実現に向け、各種リサイクル法が法制化され、廃棄物の再資源化が強く求められている。兵庫県においても食品産業からオカラ(約25000t/年)が、農業からはタマネギ残さ(約13000t/年)等が廃棄物として発生し、そのほとんどはリサイクルされることなく廃棄されている。本課題ではこれら廃棄物や副産物を炭化し、肥料成分、土壌改良等の性質を解明して、農業資材としての再利用法の確立を目指す。
[成果の内容・特徴]
  1. オカラ、タマネギをロータリーキルン式炭化炉(500℃)、または電気式バッチ窯(400~900℃) で炭化すると、地力増進法による政令指定土壌改良資材の「木炭」と比べ窒素、リン、カリウム、 カルシウム、マグネシウム等のミネラル成分が豊富な炭化物となる(表1)。
  2. 炭化物に含まれる塩基類のpH6のリン酸緩衝液による溶出割合は、オカラ炭化物で最も多い。 次いでタマネギ炭化物、木炭の順となる。元素別ではカリウムの溶出割合が高い。またタマネギ では炭化温度が高いほど塩基類が溶出しやすい炭化物となる(表1)。
  3. これら炭化物を施用しコマツナをプランターで栽培すると100~1000kg/10aの施用により増収 し、1000kg/10aの施用で最も高い。3000kg/10aまで施用量を増やすとやや減収する。土壌への影 響も勘案すると適施用量は300~1000kg/10a程度。ほ場条件で500kg/10a施用してもコマツナは 約20%増収する(図1)。また、施用により、土壌中の可給態リン酸、交換性塩基が増加し、植物 体含有率も向上する。一方オカラ炭化物は窒素含有率が3.76%と高いが土壌中の無機態窒素、植 物体窒素含有率を増加させない(表2)。
  4. 各種炭化物中の窒素の93.9~99.6%は、可給性の低い酸不溶性の形で存在し、可給性の高い無 機態窒素は極めて少ない(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 農産・食品廃棄物のリサイクル方策として活用する
  2. 連用や施用効果の持続性など長期間の影響は現在の所不明

[具体的データ]

[その他]
研究課題名農林水産業の副産物あるいは廃棄物の炭化をはじめとした各種資源循環利用法の開発
予算区分県単
研究期間2003~2005年度
研究担当者牧 浩之、永井耕介、小林尚司、河野 哲、渡辺和彦、吉倉惇一郎
発表論文等牧・渡辺 土肥誌75巻4号439-444、牧ら 土肥誌75巻6号697-700
牧ら 土肥誌76巻1号 21-26

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