[成果情報名]

透湿性反射シートマルチと樹形によるウンシュウミカン病害の抑制効果

[要約]透湿性反射シートマルチは、灰色かび病や黒点病に対して発病抑制効果がある。樹形では主幹形で両病害の発生が最も少ない。また、透湿性反射シートマルチと主幹形の併用により両病害の発生をさらに抑制できる。
[キーワード]ウンシュウミカン、灰色かび病、黒点病、透湿性反射シートマルチ、主幹形 [担当]広島農技セ・果樹研究所・常緑果樹研究室
[担当]広島農技セ・果樹研究所・常緑果樹研究室
[連絡先]電話番号 0846-45-1225、電子メール ngcjouryoku@pref.hiroshima.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 近年、農薬が環境に及ぼす影響や農産物の安全性に対する関心が高まり、農薬だけに頼らない病害虫防除技術の確立が求められている。そこで、カンキツの主要病害のうち、灰色かび病、黒点病について、透湿性反射シートマルチ(タイベック®)と樹形による発病抑制効果を明らかする。
[成果の内容・特徴]
  1. 果実における灰色かび病の発生は、透湿性反射シートマルチ(以下、マルチ)により軽減される。また、主幹形の発病が最も少なく、次いで双幹形、開心自然形(以下、開心形)の順に少ない。さらに、マルチと主幹形を組み合わせることで、発病が抑制される(図123)。
  2. 果実における黒点病の発生は、年次による変動が大きいが、マルチにより軽減される傾向にある。また、主幹形の発病が最も少ない。さらに、マルチと主幹形を組み合わせることで、発病が抑制される(図4)。
  3. 以上のことから、透湿性反射シートマルチは、既存の報告にあるチャノキイロアザミウマの飛翔行動を攪乱することによる被害軽減効果に加え、灰色かび病や黒点病に対しても発病抑制効果を有する。また、樹形では、主幹形は双幹形、開心形に比べて両病害の発生が少なく、透湿性反射シートマルチと組み合わせることにより、両病害の発生をさらに抑制できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 開花期から収穫期までのマルチ処理では、土壌水分の管理に留意する。
  2. 透湿性反射シートマルチと主幹形の組み合わせは、灰色かび病や黒点病に対して発病抑制効果があるが、慣行の化学合成農薬による防除効果より劣る。
  3. 透湿性反射シートマルチを処理し、殺ダニ剤を散布しない場合は、ミカンサビダニの発生を助長する場合があるので、薬剤による対策を追加する必要がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名耕種的方法を活用した環境にやさしいカンキツ病害虫防除技術の確立
予算区分国補
研究期間2002~2003年度
研究担当者栗久宏昭

目次へ戻る