[成果情報名]

蒸気土壌消毒時の地温上昇に有効な土壌の条件

[要約]キャンバスホース法による蒸気土壌消毒時の地温上昇は、土壌の孔隙率とくに気相率と含水率の影響を受け、気相率が低い土壌や過湿または過乾燥土壌では上昇しにくい。高畦や稲ワラの施用は、地温上昇に有効である。
[キーワード]蒸気土壌消毒、キャンバスホース法、地温上昇、土壌条件
[担当]高知農技セ・生産環境部・病理担当
[連絡先]電話番号 088-863-4915、電子メール shigeharu_takeuchi@ken3.pref.kochi.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 蒸気土壌消毒は古くから知られた土壌消毒法であるが、近年は臭化メチル代替技術の一つとして利用の場が広がっている。蒸気土壌消毒を行う際に重要となる土壌病害虫の死滅温度についてはすでに多くの報告があり、比較的耐熱性の高いメロン黒点根腐病菌の場合には、地下20cmの地温を60℃以上に上昇させる必要があることが明らかにされている。一方、蒸気土壌消毒の防除効果を安定させ、同時に燃料や作業時間の節減を図るためには、できるだけ効率よく地温を上昇させることが重要であるが、蒸気土壌消毒時の地温上昇に有効な土壌条件についての基礎データはほとんど見当たらない。
 そこで、本県で多く実施されているキャンバスホース法による蒸気土壌消毒について、地温上昇と土壌の諸条件との関係を調べ、蒸気土壌消毒に有効な土壌の条件を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 地温上昇は土壌の孔隙率、とくに気相率の影響を受け、孔隙率63%、気相率10%の土壌は孔隙率67~70%、気相率40%の土壌よりも地温が上昇しにくい(図1)。
  2. 地温上昇は土壌水分の影響を受け、過乾燥土壌(含水率40%)や過湿土壌(含水率5%)では地温が上昇しにくい(図24)。
  3. 高畦(高さ35~37cm)は低畦(高さ18~20cm)よりも地温が上昇しやすい(図3)。
  4. 稲ワラの施用(1.4t/10a)は地温上昇に有効である(図4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 蒸気土壌消毒時の地温上昇に有効な土壌の条件を明らかにしたことで、土壌病害虫の死滅に有効な地温にこれまでより短時間で到達することが可能となり、蒸気土壌消毒の効率化が図られることから、臭化メチル代替技術としての蒸気土壌消毒の普及につながる。
  2. いずれも高知県農業技術センター内の土壌(礫質灰色低地土、土性CL)を用いた試験結果である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名土壌伝染性糸状菌に対する臭化メチル代替技術の確立
予算区分県単
研究期間2001~2005年度
研究担当者竹内繁治、川田洋一

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