[成果情報名]

べと病菌によるカブ根部に発生した黒色の小斑点症状

[要約]カブべと病菌(Peronospora parasitica(Persoon:Fries)Fries)はカブの根部内部に黒色の不規則な小班点を生じさせる。カブの根部表面には病徴を認めることができない。
[キーワード]カブ、べと病、根部内部の病斑、黒色小斑点
[担当]滋賀農技振セ・環境研究部・病害虫管理担当
[連絡先]電話番号 0748-46-2500、電子メール arimoto-michiko@pref.shiga.lg.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 滋賀県でカブは露地、施設で栽培されており、主に初秋から露地で生産されている。平成16年12月、露地栽培において収穫間際のカブの根部内部に黒色の小斑点が不規則に発生した。本症状は根部内部のみに発生し、根部表面の症状はなかった。そこで、本症状の原因を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 本症状はカブの根部内部に黒色の小斑点が不規則に生じる(図1-A)。しかしながら、根部の表面では症状を確認できない。本症状が発生した圃場には、葉へのべと病の感染が確認できる。
  2. カブの根部内部に、アブラナ科植物のべと病菌に特有の侵入菌糸と吸器が観察でき(図1-B)、また、症状が発生している根部を20℃、4日間、湿室に静置すると、根部の表面にアブラナ科植物のべと病菌に特有の分生子柄と分生子が観察できる(図1-C)。
  3. 黒色の小斑点部とその周辺部から分離したべと病菌を、カブの葉に7×104分生胞子/mlで無傷接種するとカブべと病の病徴を示す。さらに根部に7×104分生胞子/mlで有傷接種すると、黒色の小斑点の病徴が再現される(図1-D)。
  4. 分生子と分生子柄の形態的特徴ならびに葉に再現された病徴から、本菌はカブべと病菌(Peronospora parasitica(Persoon:Fries)Fries)である。
  5. 県内他地域のカブの葉から分離したべと病菌をカブ根部に接種すると、根部に同様の黒色の小斑点を形成する(表1)。
  6. これまでに、カブべと病菌によって、根部に病徴が発生した報告はなく、根部に自然感染した初めての症例である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 根内部の病徴は生理障害等と誤診されやすく、べと病菌の分生子柄や分生子を確認し診断する必要がある。
  2. べと病菌は絶対寄生菌であるため培地での分離は不可能であり、症状のある根部を20℃、約4日間、湿室に保ち、分生子柄や分生子を形成させ診断する必要がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名生態系を活用した病害虫管理技術の確立
予算区分県単
研究期間2004~2005年度
研究担当者有元倫子、金子 誠

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