[成果情報名]

農産物直売所での顧客との会話から得られる消費者情報と店員の対応実態

[要約]農産物直売所のレジ上での店員と顧客の会話からは、商品の在庫質問や、購入目的と購入の可否、良悪の評価等の消費者情報が把握できる。購入目的の情報は、店員からの問いかけで増加するが、入荷予定や未入荷理由の顧客への情報伝達は十分でない。
[キーワード]農産物直売所、会話、消費者情報、レジ、顧客
[担当]広島農技セ・野菜栽培研究部
[連絡先]電話番号 0824-29-0521、電子メール ngcyasai@pref.hiroshima.jp
[区分]近畿中国四国・農業経営、情報研究
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 農産物直売所は地域農業の振興に大きな役割を果たしているが、品目数・数量の維持や来客数の不足が運営上の大きな課題となっている。この解決のためには、消費者情報や生産者の出荷状況などを的確に収集し、これらを分析することによって、生産・販売計画の策定や、出荷・販売量の調整を行なうことが求められている。
 そこで、新たな消費者情報を収集する方法として、レジ上での店員と顧客の会話に着目し、そこから得られる消費者情報を抽出するとともに、その会話場面で店員に必要な知識や対応方策について明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 農産物直売所のレジ上で、顧客が会話の起点の場合、商品の質問が168件と最も多く、次いで、商品の良い評価(24件)や悪い評価(13件)、サービスについての要望(18件)である。一方、店員が会話の起点であることは非常に少ない(9件)。しかし、「お目当ての商品はありましたか?」と店員が問いかけることによって160件の会話が得られる。そのうち、購入目的商品の有無の回答が125件あり、商品についての良い評価(8件)や質問(7件)、他店情報(7件)なども収集できる(表1)。
  2. 商品についての質問内容のうち最も多いのは、「○○はありますか?」といった在庫状況の質問(79件)であり、それに次いで、料理方法(17件)、珍しい品目の名称(10件)、お茶など類似商品の違い(8件)、商品の入荷予定日(7件)などである(表2)。
  3. 在庫状況の質問のうち、97%は在庫が無かった商品である(図1-A)。そのうちの32%は、「朝の入荷あり」と店員が説明している(図1-B)。しかし、朝の入荷ありと説明しなかった商品に対して、94%は入荷予定の説明がなく(図1-C)、63%は未入荷理由の説明がない(図1-D)。
  4. 「お目当ての商品はありましたか?」という問いかけのうち、31%は購入目的の商品を決めて来店したにもかかわらず購入できていない(図2-A)。購入できなかった顧客に対して、店員は朝の入荷状況(図2-B)や入荷予定(図2-C)、未入荷理由(図2-D)についての説明を十分に行えていない。
  5. 以上の結果、会話から「不足している商品は何か」という消費者情報が得られ、「お目当ての商品はありましたか?」という問いかけによって件数は増加する。しかし、「それがいつ入荷するのか」との顧客への情報伝達は十分でない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「不足している商品は何か」といった消費者情報は、POSによる販売データを補完する情報として、生産・販売計画の策定場面や、出荷・販売量の調整場面で有用である。
  2. 農産物直売所のレジにおいて、精算業務に支障をきたすことなく情報収集するためには、簡易に情報入力できるツールの開発が必要である。
  3. 「目的の商品を決めて来店したにもかかわらず購入できなかった」顧客に次回の来店を期待するためには、入荷予定や生育状況の伝達を支援するツール開発が必要である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名直売所の情報収集・分析・伝達能力を強化するツールの開発
予算区分重点領域支援
研究期間2004年度
研究担当者諫山俊之、網藤芳男(近中四農研)

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