[成果情報名]

家畜伝染病発生等の緊急事態における鶏卵生産抑制技術

[要約]産卵開始期から産卵ピーク期の鶏では、代謝エネルギー(ME)を維持の70%とした制限給餌を2週間続けることで、産卵率が10%程度まで抑制され、制限解除後は2週間で回復する。
[キーワード]ニワトリ、採卵鶏、制限給餌
[担当]山口畜試・飼養技術部・家畜飼養グループ
[連絡先]電話番号 0837-52-0258、電子メール sekiya.masao@pref.yamaguchi.lg.jp
[区分]近畿中四国農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 平成16年1月、山口県における鳥インフルエンザの発生に伴い、移動制限区域が設定され、区域内の鶏卵が約2,000t滞留し、その多くが焼却処分されている。
 高病原性鳥インフルエンザ等家畜伝染病発生時の移動制限など緊急事態における避難措置としては強制換羽による産卵停止が考えられるが、伝染病発生時に鶏体に強いストレスを付与すること、休産期間の調整ができない等の欠点も認められる。
 今回、緊急事態に備えるため、絶食による強制換羽を行わず、維持飼料の定量給餌により、一時的に産卵を抑制しつつ鶏群を維持する方法を検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. 採卵鶏各49羽を供試し、150日齢からMEを維持の70%とした制限給餌で2週間飼養した結果、4日目から産卵率は有意に低下した。2週間の制限給餌の後、直ちに飼料を制限前の水準に戻せば、12日目以降は、産卵率の有意な低下は解消し、2週間で90%以上に回復した。なお、産卵率の低下のボトムは10%程度であった(図1)。
  2. 49羽を供試し、180日齢から同様の制限給餌をした結果、産卵率は150日齢開始の場合と同様に推移した(図1)。
  3. 体重は、制限給餌により150日齢制限開始区では216g、180日齢開始区では165g減少したが、いずれも制限終了後2週間で回復した(表1)。
  4. 卵重は、150及び180日齢制限開始区とも制限前<制限終了2週間後<5週間後と増加した(表2)。ハウユニットは、150日齢制限開始区の制限終了後2週で制限開始前及び終了後5週よりも高い値であった(表2)。
  5. この制限給餌開始から制限終了後5週までの7週間の試験期間中に、斃死や疾病等は見られなかった。
[成果の活用面・留意点]
 今回の試験は、33週齢までの成績であり、以降の生産性には注意が必要である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名家畜伝染病発生等の緊急事態における鶏卵生産抑制技術
予算区分県単
研究期間2005年度
研究担当者関谷正男

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