[成果情報名]

各種農薬がクワシロカイガラムシ寄生性猩紅病菌の菌密度に及ぼす影響

[要約]チャに登録のある農薬には、殺菌剤ばかりでなく殺虫・殺ダニ剤の中にも、猩紅病菌の菌糸伸長・胞子発芽を阻害する薬剤がある。これらの農薬を散布することにより、茶園においてクワシロカイガラムシの猩紅病菌密度が低下する。
[キーワード]チャ、農薬、クワシロカイガラムシ、猩紅病、昆虫寄生菌
[担当]奈良農技セ・茶業振興センター
[連絡先]電話番号 0742-81-0019、電子メール horimoto@naranougi.jp
[区分]近畿中国四国農業・茶業
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 茶園において難防除害虫であるクワシロカイガラムシは、寄生蜂等の天敵や猩紅病菌(Nectria episphaeria )等の昆虫寄生菌によりその密度が制御されている。一般に農薬の天敵に与える影響の調査研究は多いが、農薬と昆虫寄生菌に関する研究は少ない。そこでチャに登録のある各種農薬が猩紅病菌に与える影響を明らかにし、生態系を活用した環境に優しい薬剤防除体系の資料とする。
[成果の内容・特徴]
  1. 培地上で猩紅病菌の菌糸伸長を阻害する農薬は、殺菌剤ではTPN、ジフェノコナゾール、テブコナゾール、アゾキシストロビン、殺虫剤ではフルフェノクスロン、トルフェンピラド、殺ダニ剤ではテブフェンピラドである(表1)。
  2. 猩紅病菌の分生胞子発芽は、殺菌剤ではTPN、アゾキシストロビン、殺虫剤ではフルフェノクスロン、トルフェンピラド、殺ダニ剤ではテブフェンピラドにより阻害される(表2)。
  3. 茶園においてあらかじめ猩紅病発生枝をマーキングし、上記の生育阻害農薬で組み立てた病害虫防除体系を実施すると、罹病死したクワシロカイガラムシに形成される発芽能力を有する分生胞子の数はきわめて少なく、猩紅病菌密度が低下する(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. クワシロカイガラムシ発生園における病害虫防除体系の薬剤選択に活用できる。
  2. 猩紅病菌は多くの殺菌剤の影響を受けるため、クワシロカイガラムシ常発園では殺菌剤使用にあたって注意が必要である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名猩紅病菌に影響の少ない病害虫防除体系の検討
予算区分県単
研究期間2004 ~ 2005 年度
研究担当者堀本圭一、宮本大輔、山原俊昭、米谷力

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