[成果情報名]

小麦「ミナミノカオリ」の製パン性を高める実肥の施用時期と適正窒素量

[要約] 小麦「ミナミノカオリ」において、安定して13~14%の子実蛋白質含有率を確保するには出穂後10日に 窒素8kg/10a施用する。その時の製パン性は、吸水性、作業性、外観、内相とも「1CW」と同等である。
[キーワード] コムギ、ミナミノカオリ、実肥、蛋白質含有率、製パン性
[担当] 広島農技セ・土地利用研究部
[連絡先] 電話 082-429-0521、電子メール ngctochi@pref.hiroshima.jp
[区分] 近畿中国四国農業・作物生産(冬作)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 近年、国内産パン用小麦の需要が高まる中、実需者からは蛋白質含有率が高く、製パン性が 優れるものが求められている。そこで、小麦「ミナミノカオリ」の安定して高い蛋白質含有率が得られる 実肥の施用時期と適正な窒素施用量を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 小麦「ミナミノカオリ」に、窒素8kg/10aを出穂期前後に施用すると、成熟期は約1日遅れ、 稈長は出穂期以降の施用ではほとんど伸長しない。遅れ穂は、実肥の施用時期が早いと多く発生するが、 出穂後10日以降の施用であれば、稔実はなく、遅れ穂による未熟粒の混入はない。収量は実肥の施用により やや多くなる傾向がある(表1)。
  2. 実肥を窒素8kg/10a施用して、子実蛋白質含有率が安定して高く確保できるのは出穂後10日である (図1)。その時の子実蛋白質含有率は13~14%で、新ランク区分の 基準値( 11.5%以上14.0%以下)を満たしている。
  3. 出穂後10日の窒素追肥では、窒素施用量を多くすると蛋白質含有率が高くなるが、製粉歩留は 低下する傾向がある。しかし、パンの比容積は蛋白質含有率が高くなるほど増加する。また、製パン性の 評価は、実肥の窒素施用量が8kg/10a以上で、吸水性、作業性、外観、内相ともに「1CW」と同等となる (表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 実肥を施用すると、子実が角張るため未熟粒と判定され検査等級が低下する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 主要農作物の優良品種選定・種子生産
予算区分 国補
研究期間 1996~2006年度
研究担当者 浦野光一郎、保科亨

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