[成果情報名]

昆虫病原糸状菌Nomuraea rileyiと混用可能な殺菌剤、展着剤の選定

[要約]  殺菌剤のオキソリニック酸、プロシミドン、展着剤のソルビタン脂肪酸エステル・ポリオキシエチレン 樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・リグニンスルホン酸カルシウム、 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルは、昆虫病原糸状菌Nomuraea rileyiと混用しても、 ハスモンヨトウに対する殺虫活性を低下させない。
[キーワード] 昆虫病原糸状菌、Nomuraea rileyi、殺菌剤、展着剤、混用、殺虫活性
[担当] 滋賀農技振セ・環境研究部・病害虫管理担当
[連絡先] 電話0748-46-2500、電子メールhozumi-naofumi@pref.shiga.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
 昆虫病原糸状菌Nomuraea rileyi は、ダイズやキャベツの重要害虫であるハスモンヨトウや ウワバ類などの鱗翅目幼虫に対し、殺虫活性があることが知られている。N.rileyiを防除資材として ほ場で用いる場合、殺菌剤や展着剤との混用が想定される。そこで、キャベツでの主要な殺菌剤13剤、 展着剤4剤を供試し、N.rileyiのコロニー形成と殺虫活性に対する影響を調べることで、 本菌と混用可能な剤を選定する。
[成果の内容・特徴]
  1. 供試剤を添加したSabouraud麦芽糖培地上のN.rileyi(SgNr-04T株)の コロニー形成数を調べたところ、供試殺菌剤13剤中、9剤はコロニー形成を100%阻害する。 また、供試展着剤の4剤中1剤がコロニー形成を99.5%阻害する(表1)。
  2. コロニー形成が確認された各剤をN.rileyi分生子懸濁液(1×107分生子/ml)に添加し、 ハスモンヨトウ3齢幼虫に接種すると、その死虫率は対照区に比べて、バリダマイシンでは約20%、 塩基性硫酸銅では約40%低下する。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル・ポリナフチルメタンスルホン酸 ジアルキルジメチルアンモニウムでは殺虫活性がなくなる(図1)。
  3. 以上の結果から、殺菌剤のオキソリニック酸、プロシミドン、展着剤のソルビタン脂肪酸エステル ・ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・ リグニンスルホン酸カルシウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルは、N.rileyi 分生子懸濁液に混用しても殺虫活性は低下しない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 供試したN.rileyiは、平成18年12月現在、農薬取締法に基づく農薬登録がされて いないため、試験研究以外では使用できない。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 昆虫病原菌を基幹としたアブラナ科野菜害虫の防除体系の確立
予算区分 高度化事業
研究期間 2005~2007年度
研究担当者 保積直史、川村容子、江波義成
発表論文等 川村ら(2006) 関西病害虫研報(48):95-96

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