[成果情報名]

採種タマネギ用低温除湿乾燥施設の利用法

[要約]  本施設は、効率的乾燥と発芽率維持の観点から、花球の適期収穫と乾燥終了時水分30%(w.b.)を 前提に、温度28~30℃、湿度60~70%(R.H.)、6日間の乾燥とし、初期張込み質量の上限を除湿機能力 3.4kW型では1,700kg、6.9kW型では2,600kg とする。
[キーワード] 採種タマネギ、除湿乾燥、除湿能力、品質、発芽率
[担当] 香川県農業試験場・農業機械担当
[連絡先] 電話087-889-1121、電子メールjy4517@pref.kagawa.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・農業環境工学
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 香川県下のタマネギ採種農家に試験導入された低温除湿乾燥施設は、慣行の吊り小屋による自然乾燥に 比べて乾燥日数を短縮できるとともに乾燥スペースを1/3程度に抑えられる特徴が認められたが、普及には 発芽品質維持や効率的乾燥のための利用技術が不足していた。
 このため、乾燥の温湿度条件や乾燥時間、初期張込み質量等の適正範囲を明らかにするとともに施設構造を 改善する。
[成果の内容・特徴]
  1. 本施設は室内に設置した乾燥庫及び除湿機(室内外機)、攪拌送風機、差圧シートで構成され、 収穫した採種タマネギ花球をコンテナに入れ、キャスタ付き台車に乗せて利用する (図1表1)。
  2. 乾燥条件は発芽率維持と効率的乾燥の観点から温度28~30℃、湿度60~70%(R.H.)とし、 初期張込み質量の上限は除湿機能力に応じてA施設(除湿機3.4kW)では1,700kg、B施設(同6.9kW) では2,600kgとする(表2図2 及び2006近中四農研成果情報「採種タマネギ花球の除湿乾燥と発芽率」)。
  3. 乾燥時間は、適期収穫を前提に初期水分73%(w.b.)、平均乾減率0.25%/h(w.b.)、終了時水分 30%を見込み、6日間(144時間)とする(表2)。
  4. 乾燥は乾燥庫の搬出入側より機械室側でやや遅れ気味となるが、コンテナ台車ごと前後に詰め替えると 乾燥むらを低減できる。その際、新たに設けた予備ドアが利用できる (図1)。
  5. 上限張込み質量を超える収穫が見込まれる場合は、全体を分割収穫して相互に2日間程度の時差を 設けた乾燥で対応できる。A施設の事例では2,100kg(標準対比24%増)が可能である (表2)。
  6. 本利用法で乾燥した採種タマネギの発芽率は、慣行の吊り方式と同等かやや下回る程度であるものの、 90%以上が確保される(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 花球収穫における茎長は、可能な限り短い方が効率的乾燥に有効である。
  2. 乾燥の仕上げ水分は後作業の脱穀との関連で決定するが、外気湿度が高い場合に庫外へ出すと花球が 急速に吸湿して脱穀に支障が生じることがある。
  3. 生産者段階では、乾燥中の花球水分の把握が困難なので質量乾減(除去水分質量)/(乾燥前質量) ×100(%)を目安とし、上記要約の条件であれば60%を目処とする。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 採種タマネギ栽培における機械収穫・乾燥システムの開発
予算区分 受託(高度化事業)
研究期間 2004~2006年
研究担当者 山浦浩二、西田 剛、白井英治、正田茂義(辻採種組合)、高木一生(西讃普及センター、現農業生産流通課)、中井 勝(四電エナジーサービス㈱)

目次へ戻る