[成果情報名]

小麦品種「ふくさやか」の奨励品種採用

[要約] 小麦品種「ふくさやか」は、「農林61号」と比べて早熟で倒伏に強く、外観品質も安定して優れ、灰分が低く、製めん・製菓適性の評価も高いことから、山口県の奨励品種に採用された。
[キーワード] コムギ、ふくさやか、めん用、奨励品種
[担当] 山口農総セ・農業技術部・土地利用作物研究室・作物栽培グループ
[連絡先] 電話 083-927-0211
[区分] 近畿中国四国農業・作物生産
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 山口県のこれまでの小麦奨励品種「農林61号」や「チクゴイズミ」はいずれも倒伏しやすく、「農林61号」では灰分、「チクゴイズミ」ではタンパク質含有率等のランク区分基準値をクリアすることに問題があることから、これらの改善が求められていた。このため、早生で耐倒伏性、収量、外観品質、製粉・製めん適性に優れるとともに、ランク区分で有利なめん用小麦品種を導入し、その普及・定着を図る。
[成果の内容・特徴]
  1. 「ふくさやか」の成熟期は農林総合技術センターでは「農林61号」より5日程度早く、「チクゴイズミ」と同程度の早生品種である(表1)。
  2. 稈長が「農林61号」より短く、耐倒伏性は優れる(表1)。
  3. 慣行施肥体系では、農林総合技術センターでの収量性は「農林61号」並~やや高く、「チクゴイズミ」よりやや低い(表1)。多肥栽培では穂数及び1穂粒数が増加し、「チクゴイズミ」並の多収となる(表2)。
  4. 外観品質は「農林61号」より優れ、良質品種の「チクゴイズミ」並に優れ、年次変動が少ない(表1)。
  5. 子実のタンパク質含有率は「農林61号」及び「チクゴイズミ」より1%程度高い(表1表2表3)。
  6. 子実の灰分は「農林61号」より低い(表3)。
  7. 製粉歩留及びミリングスコアは「農林61号」より高く、製粉性に優れる(表3)。
  8. 製めんの色、粘弾性、滑らかさに優れることから、製めん適性は「農林61号」より優れる(表3)。
  9. 製粉・製麺・製菓業者による評価は概ね良好で、多様な需要が期待できる(表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 当面、需要の低下した「チクゴイズミ」の代替品種と位置付け、実需者の需要動向をふまえつつ「農林61号」との置き換えも図る。
  2. 穂発芽性は「中」で「農林61号」や「チクゴイズミ」より劣るため、晩播を避けるとともに、梅雨入り前に収穫が可能な瀬戸内沿岸平坦部を中心に作付を推進する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 麦類奨励品種決定調査
予算区分 単県
研究期間 1998~2005年度
研究担当者 木村晃司、中司祐典、前岡庸介、小林行高

目次へ戻る