[成果情報名]

初期生育が旺盛で葉腐病抵抗性を持つシバ品種「J18-1」の育成

[要約] 県内各地から収集したシバ系統を自然交配し、固定度の高い系統からさらに葉腐病抵抗性の強い品種「J18-1」を選抜した。「J18-1」は、在来系統「坂本ノシバ」(現地選抜葉腐病抵抗性系統)より穂数が少なく紅葉が遅い。また、地下部の生育が旺盛で株張りが早い。
[キーワード] シバ、新品種、葉腐病抵抗性、緑色保持性
[担当] 鳥取園試・花き研究室
[連絡先] 電話 0858-37-4211
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 現在本県で栽培されているシバは、50年前に県外から導入されたもので、収穫後の再生が緩慢であることから年1回の出荷が難しく、消費者がシバを張った後もシバ地の形成に時間がかかる。そこで、在来系統「坂本ノシバ」より生育が旺盛で、緑化用のシバとしての形質に優れ、葉腐病(ラージパッチ)抵抗性が強い品種を育成する。
[成果の内容・特徴]
  1. 育成経過
    1984年 県内各地から在来種や変異系統を収集 (50系統)
    1986年~ 自然交雑第1代~第3代より採種。固定度の高い系統を選抜 (50系統)
    1993年~ ランナー生長量や開花数の年次変動から系統選抜 (40系統)
    2000年 千葉農試が確立した「培養ポット苗による葉腐病の抵抗性系統選抜法」に改良を加え、温室内で抵抗性1~4次選抜 (38系統)
    2006年 露地ほ場で栽培し、定植1年目の株張りなどから実用性を評価 (3系統)
    2007年 定植後2年目の生育による生産力検定 (1系統)
  2. 1) 草型はほふく性で、ほふく茎は「坂本ノシバ」や「メイヤー」(対照品種)に比べ、密度が非常に高い(表1)。
    2) 紅葉は「坂本ノシバ」や「メイヤー」より遅く、初冬期の緑色保持性が高い(表1)。
    3)葉腐病抵抗性は、「坂本ノシバ」同等で極めて強い(表1)。
    4) 出穂は春のみで、穂の長さは「坂本ノシバ」や「メイヤー」より短い。また、小穂数は「メイヤー」より少なく、穂が目立たない(表2)。
    5) ほふく茎や根の単位面積当たりの乾物重は、「坂本ノシバ」や「メイヤー」を上回る(表2)。
    6) 被覆率からみた初期生育は、「坂本ノシバ」や「メイヤー」より旺盛である(図1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 主な用途はゴルフ場のラフの他、公園、運動場、都市緑化素材等である。
  2. 葉腐病耐性であることから、減農薬管理が期待できる。
  3. 平成20年3月に種苗登録を申請し、県内のシバ生産組合による種苗増殖・供給体制 を計画している。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 市場競争力のある鳥取オンリーワン園芸新品種の育成
予算区分 県単
研究期間 1984~2007年度
研究担当者 岸本真幸、齊藤 哲

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