[成果情報名]

ナシ「愛甘水」の高品質果実生産のための側枝育成法

[要約] ナシ「愛甘水」の側枝の育成は、予備枝設定時における背面以外から発生した長さ80~90cm発育枝の切返し程度を50%とすることにより、高品質果実が生産できる短果枝が効率的に確保できる。
[キーワード] 愛甘水、胴枯性病害、ナシ、短果枝、側枝、予備枝
[担当] 広島総研・農技セ・果樹研究部
[連絡先] 電話 0846-45-5471
[区分] 近畿中国四国農業・果樹
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 広島県の世羅地域では、「幸水」、「豊水」を中心とした大規模法人経営を行っているが、販売期間の拡大による労力分散を図るため、「幸水」の前に収穫可能な「愛甘水」を導入している。「愛甘水」は、収量が低く、小玉果の食味が悪いなど栽培上の課題があるが、短果枝中心の結果枝配置を行うことにより、高品質果実(Brix12%以上、果実重300g以上)を生産できる。
 そこで、高品質果実を生産できる短果枝を効率的に確保するための最適な側枝育成法を確立する。
[成果の内容・特徴]
  1. 予備枝は、主枝背面から発生した長さ1m以上の発育枝(以下、徒長枝)および背面以外から発生した長さ80~90cmの発育枝を用い、誘引は棚面からみて45度とする。徒長枝は、先端部の切返しは行わず、設定時に枝上基部径の1/2にノコギリで切れ目を加え、ビニルテープで切れ目を保護し、枝全体を支柱などで固定し、誘引角度は棚面からみて0度~45度とする。側枝は、予備枝の設定2年目以降のものを示す(図1)。
  2. 予備枝設定時における発育枝の切返し程度の違いは、処理2年目以降の側枝の拡大に差を生じず、4年間の短果枝着生総数はほぼ同等である(表1図2)。しかし、予備枝設定時の切返し程度を50%としたものは、果実重が大きい傾向にあるとともに高品質果実生産割合が最も高い(表1)。徒長枝由来の予備枝は、前述の果実形質において切返し程度を50%とした発育枝に次いで優れる傾向にある(表1)。
  3. 徒長枝由来の予備枝における4年間の短果枝着生総数は24であり最も多い(表1)が、発育枝由来の予備枝に比べて胴枯性病害にかかりやすい(図3)。
  4. 以上のことから、ナシ「愛甘水」の側枝の育成は、予備枝設定時における発育枝の切返し程度を50%とすることにより、高品質果実が生産できる短果枝が効率的に確保できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 側枝は、2~3年結実させた後に順次更新することが望ましい。
  2. 棚下の主枝から発生した徒長枝は、誘引角度を30度とし棚面に近い場合には水平誘引とする。
  3. 徒長枝は、胴枯性病害にかかりやすいので、発育枝の発生が見られない部位で臨時的な利用とする。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 ナシ‘愛甘水’の高品質果実安定生産技術の確立
予算区分 県単
研究期間 2002年~2006年度
研究担当者 西川祐司、三善正道

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